モスクワ証券取引所で米国10企業のレポ取引が開始

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年05月29日

モスクワ証券取引所は5月21日、米国企業10社の株式レポ取引(注)が可能になったと発表した。同取引所のレポ市場で海外株式が認められたのは初めて。

対象企業は、アルファベット(グーグル、検索サービス)、アマゾン・ドットコム(インターネット通販)、アップル(家電・ソフトウエア)、フェイスブック(SNS)、マクドナルド(食品小売り)、マイクロソフト(ソフトウエア)、ナイキ(スポーツ用品)、エヌビディア(半導体製造)、テスラ(自動車)、ツイッター(SNS)の大手銘柄。取引はオーバーナイト(翌日)物で、ルーブル・米ドル建て双方が可能。取り扱い銘柄は今後、拡大の方針だ。同取引所によると、現在も外国証券の取り扱いはあるが、ロシア企業の外国法人のみが対象とのことだ。

導入理由について、同取引所は「(取引所の)市場参加者に対し、国際資本市場や証券市場でのグローバルな商品取引の機会を提供したい」と説明。ライファイゼン銀行のアナリスト、デニス・ポルィバイ氏は「安定的に成長する米国株のレポ取引で、投資家は必要な時に(米国株を担保に)流動性(現金)を確保できる」として、取引に一定の需要が見込めるとコメントしている(「RBK」紙電子版5月22日)。

さらに、同取引所は2018年第3四半期に、外国証券の通常売買取引を開始する予定になっている。当初は流動性の高い海外株式50銘柄が対象。アレクサンドル・アファナシエフCEO(最高経営責任者)が4月10日、出席した株式フォーラムでその予定を明らかにしている(「ベドモスチ」紙4月10日)。

(注)短期金融市場での取引の1つ。証券売買と同時に一定価格の買い戻し(売り戻し)条件を付して約定するもの。

(高橋淳、市谷恵子)

(ロシア)

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