2017年はパキスタン向けの紅茶輸出が大幅増

(ケニア)

ナイロビ発

2018年05月08日

ケニア国家統計局が4月25日に発表した「エコノミックサーベイ2018」によると、2017年の貿易は、輸出(再輸出を除く)が前年比4.8%増の5,306億1,700万ケニア・シリング(約5,306億1,700万円、Ksh、1Ksh=約1.0円)、輸入が20.5%増の1兆7,256億2,300万Kshとなった(添付資料の表1参照)。原油価格の上昇により石油製品の輸入額が増加したことが影響し、貿易赤字は前年比29.2%増の1兆1,950億600万Kshとなり、3年ぶりに増加した。

輸出の主要品目は紅茶、園芸作物で、輸出額の約半分を占めた(添付資料の表2参照)。最大の輸出品目である紅茶は、国際市況価格の上昇により平均輸出単価が21.6%増となったことやパキスタン向け輸出が好調だったことを受け、輸出額は前年比18.3%増の1,472億5,100万Kshとなった。園芸作物は切り花、果実、野菜の輸出量がそれぞれ19.7%増、16.8%増、10.7%増と好調だったため、輸出額は2.7%増の1,133億4,900万Kshとなった。

国別輸出額をみると、最大の相手国はパキスタンで、前年比59.1%増の640億5,800万Kshとなり、少なくとも2000年以降で初めて首位となった(添付資料の表3参照)。特に紅茶の輸出が前年より約4,300万ドル増加したことなどが要因と考えられる。

一方、輸入では産業用機械、石油製品の2品目で全体の約3割を占めている(添付資料の表4参照)。原油価格の上昇に伴い、石油製品の輸入額は前年比27.8%増となった。また、2016年第4四半期から続いた深刻な干ばつの影響で、国内の砂糖、小麦、メイズ、コメなどの生産量が著しく減少したことで、これら食品の輸入額が大きく増加した。

国別輸入額では、最大の輸入相手国は3年連続で中国となり、前年比15.8%増の3,906億2,200万Kshとなった(添付資料の表5参照)。中国からの最大の輸入品目は主に携帯通信関連資機材、標準軌鉄道開発事業で利用された建設資材、建設機械、機関車などで、輸入額を押し上げた。

(島川博行)

(ケニア)

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