ベイエリア、戸建て購入できる世帯は23%

(米国)

サンフランシスコ発

2018年05月24日

カリフォルニア不動産協会(California Association of Realtors)が発表した住宅取得能力指数の2018年第1四半期版によると、カリフォルニア州全体の指数は31%と20四半期(5年間)連続で40%を下回った。2017年第4四半期(29%)より改善したものの、前年同期(32%)と比べるとわずかに悪化した。

カリフォルニア州全体では31%と推計

この指数は、当該四半期に一戸建て(注1)を中央値価格で購入するための資格要件を満たした年収がある世帯の割合を推計するもの(注2)。つまり、2018年第1四半期のカリフォルニア州では、全世帯の31%のみが同州の中央値価格(53万8,640ドル)の一戸建てを購入可能な年収(11万1,500ドル以上)があったと推計される。同指数のピークは、2012年第1四半期の56%だった。

住宅価格の高騰が続くサンフランシスコ・ベイエリアではさらに厳しい現状となっている。ベイエリア全体では、世帯の23%のみが中央値価格(90万ドル)の一戸建てを購入可能で、18万6,300ドル以上の年収が必要だとしている。また、多くの大手テック企業が本拠を構えるサンフランシスコ郡、サンマテオ郡では、中央値価格(約1億6,000万ドル)の一戸建てを購入可能な世帯は15%にとどまり、少なくとも33万ドル前後の年収が必要としている(表参照)。

一方、ベイエリアで最も指数が高いのは、製菓企業ジェリーベリーキャンディ本社・工場や、バドワイザーの工場が所在するソラノ郡(42%)で、中央値価格は43万ドル、購入に必要な年収は8万9,010ドル以上だった。

表 カリフォルニア州の地域別住宅購入可能指数(2018年第1四半期)

(注1)該当地域に建築されている一戸建てが対象。

(注2)30年利率固定ローン、住宅価格の20%を頭金とすることを想定し、税金、保険料込みのローン月額を支払うことができる年収を計算。2018年第1四半期の利率は4.44%で計算されている。

(田中三保子)

(米国)

ビジネス短信 50281d0c31d57d86