テックインアジアに初のジャパンパビリオン

(シンガポール)

シンガポール発

2018年05月18日

ジェトロは5月15~16日、シンガポールで開催されたテック系スタートアップの大型イベント「テックインアジア・シンガポール」にジャパンパビリオンを出展した。同イベントは、テックインアジアが2012年から毎年、同国で開催しているイベントで、2018年のイベントにはスタートアップ約200社が出展し、約2,000人が来場登録した。同イベントに日本のパビリオンが出展するのは初めて。

日本のスタートアップ24社、シンガポールからアジア展開へ

ジャパンパビリオンには、シンガポールを拠点に海外展開または、東南アジア域内展開のための提携先や資金調達の獲得を狙うスタートアップ24社が参加した。このうち、音声データをリアルタイムで感情分析するエンパス(Empath)が2日目の5月16日に行われたピッチコンテストの決戦に出場し、優勝した。同コンテストには各国から選抜された6社が参加した。

イベント初日には会場内のメインステージで、日本の起業エコシステムと、アジア市場で展開する日本のスタートアップを紹介する特別セッションを開催した。リアルタイム給与計算システムを提供するドレミング、バーチャルリアリティー(VR)映像技術を持つカディンチェ、電子商取引(EC)向け物流アウトソーシングのオープンロジ(OPENLOGI)、訪日旅行者向け無料SIMとアプリを提供するワメイジング(WAmazing)の4社が、自社サービスの紹介を行うピッチングを行った。

さらに、同セッションでのパネル会議に、経済産業省の水口怜斉・新規産業室係長、ベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・ブレインのベンチャー・パートナーの佐野尚志氏、SNSを活用した求人サービスを提供するウォンテッドリーの仲暁子最高経営責任者(CEO)が登壇。佐野氏は、「日本のスタートアップのエコシステムは現状、国内で完結してしまっている。向こう5~10年先には日本のスタートアップが海外に行き成功し、また国外のスタートアップが日本で展開するサクセスストーリーが生まれることを望みたい」と期待を示した。

写真 ピッチコンテストで優勝し、賞金5,000ドルを受け取るエンパスのデータアナリスト、赤岡バディシ沙羅氏(中央、ジェトロ撮影)

(本田智津絵)

(シンガポール)

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