国税庁が貿易細則の第一次改定を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2018年05月01日

大蔵公債省は4月20日、連邦官報で2018年の貿易に関する一般規則〔通称:国税庁(SAT)貿易細則〕の第一次改定を公布した。主な改定の1つ目は自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの特恵関税を活用して輸入する際の申告実務に関する規定だ。

特恵関税を活用した輸入時の申告に注意

これは、SAT貿易細則に第3.1.37則が新たに追加され、特恵関税を活用してメキシコに輸入する際には、輸入申告書の商品情報(Nivel Partida)コーナーの識別コード(Identificador)の1つとして「PO」(Proveedor de Origen:原産国サプライヤー)の識別コードを入力し、関連する欄に所定のデータを入力することを義務付けるもの。

当該識別コードの入力がない場合、「申告の不備」と見なされることが明記された。入力を怠ると罰則の対象となってしまうので、実際に輸入申告(電子入力)業務を代行する登録通関士などに注意を促す必要があるだろう。

PO識別コードの入力内容は次のとおり。

  • 識別コード:PO
  • 補足情報1:商品の輸出者の納税者登録番号(Tax ID)
  • 補足情報2:輸出者の正式名称
  • 補足情報3:インボイスナンバー

IMMEXの保税認定ではサプライヤーのコンプライアンスも確認

もう1つの改定は、輸出向け製造・マキラドーラ・サービス業振興プログラム(IMMEX)を活用する企業が国税庁(SAT)に対して行う付加価値税(IVA)の保税認定申請に関する規定についてのもの。具体的には、IMMEXプログラム(メキシコの外資に関する奨励を参照)を活用する企業が、SATによるIVAの保税認定を受けるための要件を定める第7.1.2則が改定された。これにより、保税認定の基本要件に、連邦税務総則法(CFF)第69-Bに掲載されている違法行為(偽りのインボイスの発行など)を行った納税者のリストに申請者のサプライヤー名が掲載されていないこと、という条件が追加された。サプライヤーの税務コンプライアンスにも留意する必要があるだろう。

そのほか同第7.1.2則は、操業準備期間中のIMMEX企業が、部品・原材料の一時輸入を開始する前に、まず生産設備を保税輸入するための仮認定制度について定めているが、今回の改定により仮認定が取得できる企業は、初めてIMMEXプログラムを取得して操業準備をしている企業に限定された。つまり、以前にIMMEXプログラムを取得したが、プログラム登録が一度抹消された企業などは、仮認定の対象から除外される。また、今後、同仮認定申請を受けるためには、IMMEXプログラムの登録から12カ月以内に申請を行う必要がある。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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