ハノーバーメッセで水素を活用した新モビリティー技術を紹介
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2018年05月10日
4月23~27日にドイツのハノーバー市にて、インダストリー4.0を中心とする産業技術分野の世界最大級のB2B専門展示会「ハノーバーメッセ」が開催された。75カ国から5,000社以上が出展し、ドイツ国外からの出展企業が6割を占めた。来場者数は21万人で、その3割が国外から訪れた。
同見本市では人工知能や自己学習ロボット、電気自動車、工場の自動化、ソフトウエアなどに焦点が当てられ、メーカーのみならず、各国のインダストリー4.0推進機関・団体もパビリオンを設置した。出展企業の7割が新技術を展示したことから、ハノーバーメッセ出展企業顧問会のフリードヘルム・ロー取締役は、「ハノーバーメッセは最新技術の見本市であり、将来の製造がどのようになるかが分かる」と述べている。
日独フォーラムでモビリティーの最新トレンドと展望を紹介
ドイツと日本がデジタル化において、両国の政府や協会団体同士の協力が進んでいる。ハノーバーメッセ会期中の4月25日、見本市運営企業のドイツメッセや環境関連のコンサルテーション企業のエコス・コンサルタント、在日ドイツ商工会議所が共催し、第12回日独経済フォーラムが開催された。その場では、日本やドイツが批准しているパリ協定で定められた二酸化炭素の排出量を運輸部門などで削減する可能性が紹介された。具体的には、両国の専門家がモビリティー分野における長期的な脱炭素化の解決策としての水素の活用やデジタル化の推進、eモビリティーなどについて講演した。中でも特に水素は、エネルギーを貯蔵することに活用できるほか、生産から消費まで何度でも形を変えながら使うことができるため、環境問題の解決に貢献することが期待されている。また、連邦政府は電気自動車(EV)の普及を推進しており、EVのインフラに3億ユーロを投資、全国に充電施設を1万5,000カ所設置する予定だ。
同見本市に合わせて、4月24日には日独IoTフォーラムが開催され、標準化の事例や中小企業の支援策、両国のデジタル分野の研究開発など、これまでの日独協力の成果を発表した。
次回のハノーバーメッセは、2019年4月1~5日に開催される。
(ベアナデット・マイヤー)
(ドイツ)
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