2017年経済白書を発表、実質GDP成長率は3.1%

(スリランカ)

コロンボ発

2018年05月17日

スリランカ中央銀行は、2017年の経済白書を発表した(注)。これによると2017年のスリランカにおける実質GDP成長率は前年比3.1%となり、2002年以降では最低水準となった。

産業部門別には、農業部門が前年比0.8%縮小。断続的な天候不順の影響は最小限に抑えられたかたちだ。品目別には採油用果物、野菜、コメの生産が減少したものの、材木、果物、紅茶の生産が伸び、全体の縮小を緩和した。

GDPの26.8%を占める工業・製造業部門は前年比3.9%成長となったが、近年の経済成長を支えてきた建設部門の大幅な成長減速が特に目立ち、2016年の8.3%成長から、2017年は3.1%成長にまで落ち込んだ。他方で製造業では若干の加速がみられ、2016年の3.2%成長から2017年は3.9%成長となった。

GDPの56.8%を占めるサービス部門は前年比3.2%成長となった。この成長を牽引したのは主に、金融サービス、小売り・卸売りサービス、その他個人向けサービス分野における伸びだ。一方で公共事業や防衛関連事業は縮小し、交通サービス分野でも成長が減速した。

GDPの支出面では、公共部門、民間部門双方で消費支出が増加したことにより消費支出が前年比9.0%増と、2016年の3.1%から大幅な伸びとなった。投資支出については建設部門の成長減速を受けて16.6%の伸びと、2016年の22.0%と比較すると停滞したものの、GDPに占める投資支出の割合は36.5%と、2016年の35.0%からわずかに増加した。

(注)白書(4月26日付)の全文は中央銀行ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで閲覧できる。

(山本春奈)

(スリランカ)

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