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「職業実習賦課金制度」は早急な見直しが必要

(英国)

ロンドン発

2018年04月17日


英国経営者協会(IoD)は、2017年4月に導入された職業実習賦課金制度に関する調査結果を公表した(3月29日)。同制度は英国におけるスキル人材不足対応のため、職業実習制度の普及拡大を目的に導入されたものの、職業実習の実施企業は31%にとどまっている。制度が自社あるいは制度導入の目的に沿っているとした回答は14%で、経営者が制度に満足していない現状が浮き彫りとなった。

職業実習賦課金制度は、年間人件費が300万ポンド(約4億5,000万円、1ポンド=約150円)を超える企業から、人件費の0.5%相当額を賦課金として徴収し、職業実習や評価にかかる企業の経費への補助に利用するもので、2017年4月6日から実施されている(2016年11月10日記事参照)。調査はIoDの会員企業を対象に実施され(調査時期:3月8~27日)、642人の経営者が回答した。

制度の理解進まず

同調査によると、職業実習生を受け入れている企業は31%、受け入れていない企業は68%、分からないと回答した企業は1%だった。また、受け入れていない理由を聞いたところ、「事務手続きが面倒」(14%)、「実習生候補の能力が自社の求める要件に合わない」(12%)、「時間的制約」(10%)、「事業に係る規制上の負担増(で余裕がない)」(10%)、「コスト負担」(8%)、「競合企業に情報・技術などが奪われることへの懸念」(2%)などが挙げられた。

職業実習賦課金制度が自社ないし職業実習拡大という制度導入の目的に沿っているとしたのは14%にとどまり、34%が自社のニーズに沿わない、27%は制度の利用や理解が難しいと回答した。制度について「完全に理解している」としたのは36%にとどまり、それ以外は「部分的あるいは全面的に分からない」と回答した。

IoDの政策責任者であるシーマス・ネビン氏は「職業実習賦課金制度は意図したとおりに機能していない。公的統計をみても、制度導入以来、実習件数が減っている。多くの経営者が、制度のルールが複雑で限定的過ぎて、企業が求める訓練要件に適合させることができていない」と指摘し、早急な見直しが必要だとコメントした。

(岩井晴美)

(英国)

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