自由党が地方選で勝利、SA州選挙で16年ぶりに政権

(オーストラリア)

シドニー発

2018年04月11日

南オーストラリア(SA)州の州議会選挙(定数47)が3月に行われ、スティーブン・マーシャル党首が率いる野党・自由党が過半数の議席(25議席)を獲得し、16年ぶりに政権を奪還した。

SA州選挙管理委員会などによると、自由党は前回選挙(2014年)から3議席増やした一方、労働党は4議席減の19議席にとどまった。前労働党政権は、SA州内発電に占める再生可能エネルギーの割合を現在の50%から2025年までに75%に引き上げると公約していたが、マーシャル自由党新政権は、連邦政府が進めるエネルギー政策「ナショナル・エネルギー・ギャランティー」との連携を強化し、再生可能エネルギーに偏重することなく、適切な価格かつ安定的な電力供給が可能なエネルギー政策を取るとみられる。

SA州はオーストラリア南部に位置し、州都はオーストラリア第5の都市アデレード。州人口は約172万で、再生可能エネルギー(太陽光、風力発電など)の利用割合が高い。2016年9月には、半世紀に1度という大規模暴風雨に襲われ州全体が停電するなど、エネルギー問題が社会問題化している。

TAS州では、与党自由党が政権を維持

タスマニア(TAS)州の州議会選挙(定数25)も行われ、ウィル・ホッジマン党首が率いる与党自由党が過半数の議席(13議席)を獲得し、2期連続して政権与党の座を維持した。

TAS州選挙管理委員会、公共放送ABCなどによると、自由党は前回選挙(2014年)から2議席失ったものの、単独過半数を維持した。一方、労働党は10議席(3議席増)だった。自由党政権下において、同州経済の再生、雇用増加といった実績が一定の評価を受けたものの、医療制度の改革を公約とした労働党も議席を伸ばした。

TAS州はオーストラリアの南方に位置する島で、州都はホバート。州人口は約52万で、畜産業、林業、漁業、鉱業、観光業などが主要産業だ。

(藤原琢也)

(オーストラリア)

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