2017年の対外直接投資は過去最大に

(韓国)

ソウル発

2018年04月02日

企画財政部は2017年通年および第4四半期(10~12月)の対外直接投資動向をこのほど発表した。それによると、対外直接投資額(実行ベース)は前年比11.8%増の437億ドルで、過去最大となった(表1、2参照)。

金融・保険業と卸売・小売業が大幅増

業種別では、金融・保険業と卸売・小売業が47.5%、64.9%増加して過去最大となり、投資の伸びを牽引した(表1参照)。一方、製造業と不動産・賃貸業は減少した。地域別にみると、大洋州と中東を除いて増加した(表2参照)。中東向けは建設業の減少により4割減少した。国・地域は、米国、ケイマン諸島、中国、香港、ベトナムの順となった。なお、形態別ではグリーンフィールド型が減少し、M&A型は大幅に増加した。

表1 業種別の対外直接投資(実行ベース)(単位:億ドル、%、△はマイナス値)
業種 2016年 2017年
1Q 2Q 3Q 4Q 年間 1Q 2Q 3Q 4Q 年間 構成比 前年比
金融・保険業 17.1 25.5 16.3 27.3 86.1 23.5 28.2 37.9 37.4 127.0 29.1 47.5
卸売・小売業 4.7 8.1 7.8 37.4 58.0 54.6 29.4 5.6 6.0 95.6 21.9 64.9
製造業 19.9 18.5 19.6 23.0 81.2 14.4 14.7 19.2 30.1 78.4 17.9 △ 3.4
不動産・賃貸業 15.8 11.7 25.1 13.6 66.2 7.8 8.1 12.6 9.0 37.6 8.6 △ 43.3
出版・映像・放送通信 1.6 7.6 1.7 2.5 13.4 9.2 10.0 1.0 2.8 23.1 5.3 72.3
その他 23.9 18.8 16.8 26.6 86.1 24.5 12.5 22.4 16.0 75.3 17.2 6..3
合計 83.0 90.3 87.2 130.5 391.0 134.0 103.0 98.6 101.4 437.0 100.0 11.8

(注)構成比は発表されたデータを基に算出。
(出所)企画財政部

表2 地域別の対外直接投資(実行ベース)(単位:億ドル、%、△はマイナス値)
地域 2016年 2017年
1Q 2Q 3Q 4Q 年間 1Q 2Q 3Q 4Q 年間 構成比 前年比
北米 30.8 24.7 31.7 60.8 148.0 77.2 35.2 21.4 23.9 157.7 36.1 6.6
アジア 23.2 26.2 27.6 33.2 110.2 25.0 24.9 36.3 36.6 122.8 28.1 11.4
中南米 13.1 16.3 11.3 19.7 60.5 14.7 13.0 22.1 20.2 70.0 16.0 15.8
欧州 7.6 17.1 11.6 7.7 44.0 13.2 24.9 15.3 15.1 68.5 15.7 55.6
大洋州 3.3 2.9 2.5 7.1 15.8 2.4 2.4 2.4 2.0 9.1 2.1 △ 42.3
中東 4.5 2.6 2.0 1.8 10.9 1.2 1.4 0.8 3.2 6.5 1.5 △ 40.1
アフリカ 0.4 0.3 0.5 0.3 1.6 0.3 1.2 0.4 0.5 2.4 0.5 49.0
合計 83.0 90.3 87.2 130.5 391.0 134.0 103.0 98.6 101.4 437.0 100.0 11.8

(注)構成比は発表されたデータを基に算出。
(出所)企画財政部

企画財政部は今後の対外直接投資について、「企業の先進技術確保、新市場進出の基盤確保のための海外M&Aが活発であることを考慮すると、韓国の対外直接投資は引き続き増加し、投資業種や対象地域もさらに多様化する」と展望した。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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