山東省が山東鉄道投資ホールディングカンパニーを設立

(中国)

青島発

2018年04月04日

山東省政府は、山東鉄道投資ホールディングカンパニー(以下山東鉄投)を設立すると3月に発表した。山東省では高速鉄道などの鉄道網の整備が遅れており、山東鉄投は山東省において総合交通インフラ、特に高速鉄道の整備を推進し、省内鉄道の建設に係る投資、融資、運営の面で重要な役割を果たすプラットフォームとして位置付けられている。

高速鉄道など交通インフラ整備に遅れ

山東省は中国3位の経済規模を持ち、面積は約15万7,100平方キロと日本の約4割に相当する。広大な面積を持つ同省内には都市が点在しているが、各都市間を結ぶ高速鉄道の整備が進んでおらず、高速道路に頼っているのが現状だ。山東省内を通る高速鉄道は現在1本しかなく、他省との鉄道アクセスも不便で、今後より一層ハイレベルな経済発展を目指す山東省にとっては、鉄道インフラの整備の遅れが深刻な問題となっている。

山東省は、2022年までに5,500億元(約9兆3,500億円、1元=約17円)を投資して省内の高速鉄道の新規路線を合計18本(総距離3,400キロ)建設し、走行距離を現在の1,136キロから2022年までに4,500キロ、2035年には5,700キロへと増やし、そのうち時速350キロを超える高速鉄道の割合を80%以上にするという目標を掲げている。さらには、世界でも先進的な時速500キロの磁気浮上式軌道鉄道の建設計画も進めている。しかし、資金調達が大きな課題となっている。

省内鉄道関連4社の合併で山東鉄投を設立

山東省にはもともと済青高速鉄道、魯南高速鉄道、山東鉄道発展基金(ファンド)および山東鉄道建設投資の4社があり、別々に鉄道事業を展開してきた。しかし今後、大規模な鉄道建設を進めていくためには、実施計画や建設、資金調達などの面で効率化が必要で、今回4社を一本化した山東鉄投が設立されることに期待が寄せられている。山東省政府の発表によると、同社の登録資本金は460億5,400万元。同社は山東省国有資産管理委員会による監督を受ける大型国有企業となり、2018年3月には設立の手続きが完了する見込みだ。今後、同社は済南~青島の高速鉄道、山東省南部、北部および東部の沿海地域、京九〔北京~香港(九竜)〕鉄道の省内部分や、京沪(北京~上海)高速鉄道の省内部分の鉄道整備を計画している。

なお、山東省の鉄道整備計画については「山東省総合交通網中長期発展規画(2014~2030年)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で見ることができる。

(魯寅萍)

(中国)

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