第1四半期のGDP成長は4.1%

(カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2018年04月24日

カザフスタンのティムル・スレイメノフ国家経済相は4月17日、閣議で2018年第1四半期のGDP成長率は4.1%と発表した(2017年第1四半期は3.6%)。鉱工業、農業、サービス分野の成長、投資の高い伸びと低いインフレ率が成長に貢献した。

鉱工業生産は前年同期比5.3%増。内訳では鉱業分野が5.1%増で、うち天然ガス生産が6.2%増、原油生産が6.1%増、鉄鉱石生産が3.7%増。加工業は6.2%増で、うち製紙、化学、製薬産業が大きな伸びを示した。農業は3.6%増。サービスは活発な消費を背景に3.6%増。うち卸・小売りは6.2%増、輸送が4.6%、通信が4.6%増となった。

固定資本投資は前年同期比で39.5%増。シムケント精油所(ぺトロカザフスタン・オイル・プロダクツ)の近代化工事、テンギス油田の生産拡張が大きく影響した。分野別では輸送(58.5%増)、建設(57.2%増)、鉱工業(51.6%増)、卸・小売り(47.3%増)向けが大きな伸びを示した。

2018年3月末時点での失業率は4.9%。平均実質賃金は2.4%増の15万3,200テンゲ(約5万円、1テンゲ=約0.3円)、3月末時点のインフレ率は1.8%(前年末比、前年同期比で0.5ポイント減)。

経済成長予測を上方修正、対ロ経済制裁の影響防止策を準備

カザフスタン政府は4月3日の閣議で、2018年通年のGDP成長率予想は3.1%から3.8%に上方修正した。1人当たりGDPは9,200ドルまで上昇する見通し。IMFも4月17日、直近の世界経済見通しを発表、GDP成長率を前回(2017年10月)から0.4ポイント上回る3.2%としており、想定よりも経済が上向いていることが示された。

バクィトジャン・サギンタエフ首相は4月17日の閣議で、各閣僚に対し「経済成長は共通の課題」で、さらなる高い経済成長のため制度的な改革を進めるよう指示した。スレイメノフ国家経済相は同じく4月17日、米国の対ロシア経済制裁による自国経済への影響について(2018年4月17日記事参照)、ロシア・ルーブルの対ドル為替レートが1ドル=70ルーブル、80ルーブル、90ルーブルまで上昇した3つのケースを想定し、規制・財政・金融などの政策を組み合わせた対応策を中央銀行とともに用意していると地元メディアに述べている(インターネットメディア「クルシブ.KZ」4月17日)。

(高橋淳)

(カザフスタン)

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