広東省、環境汚染改善に向けた取り組みを強化

(中国)

広州発

2018年04月03日

広東省環境保護庁の魯修禄庁長は、1月28日の第13回同省人民代表大会1次会議で、省内における2017年の取り締まりの状況、大気汚染対策などを報告した。粒子状物資(PM2.5)については、2035年までに先進国並みの水準まで低下させることを目標としたが、汚染物質の排出量は依然深刻な状況にある。

9都市で企業に立ち入り検査

1月22日付の「南方日報」によると、2017年5月から広州市や深セン市など珠江デルタ9都市で環境保護特別検査が実施された。9,215社で立ち入り検査が行われ、2,414社が摘発された。2018年も省内全域の21都市で特別検査が実施されるとしている。

また同紙は、2017年の罰金総額は10億6,500万元(約181億500万円、1元=約17円)で全国2位だったほか、処罰案件2万348件のうち摘発押収案件が2,280件、行政拘留案件が381件、環境汚染犯罪案件が422件だったと伝えている。

広州市の路線バスは全てEVに

1月28日の「第一財経網」によると、広東省における2017年のPM2.5の年平均値は1立方メートル当たり32マイクログラムで、国家基準の35マイクログラムを下回ったものの、先進国の年平均値である10~15マイクログラムに比べると大きな差があるとしている。同省政府は、2035年までに省内全域の年平均値を25マイクログラム以下とすることを目標としている。ちなみに2017年の平均値は、広州市35マイクログラム、深セン市28マイクログラムだったが、2035年までに深セン市など一部主要都市では15マイクログラムまで改善することを目指すという。

大気汚染の改善に向け、広州市では発電施設や高汚染ボイラーの回収を行った。深セン市では新エネルギー車の普及を奨励した結果、2017年の新エネ車の新規登録台数は1万4,000台、累計で8万2,000台に上った。うち、市内の路線電気自動車(EV)バスは1万6,359台と全てEVバスとなった。こうした取り組みが奏功し、同市における2017年の二酸化窒素濃度の平均値は30マイクログラムとなり、前年に比べ9.1%減少したという。

(金光)

(中国)

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