WTO、針葉樹材紛争めぐり2つのパネルを設置

(カナダ、米国)

トロント発

2018年04月13日

WTOの紛争解決機関(DSB)は4月9日、カナダ政府の要請に応じて米国がカナダ産針葉樹材輸入時に課している相殺関税(CVD)およびアンチダンピング(AD)関税に関して、2つのパネル(小委員会)の設置を決めた。カナダ政府はWTO協定の下、米国との2国間協議を1月に開催したものの解決には至らず(2018年1月22日記事参照)、3月27日のDSB会合でパネルの設置要請を行っていた。

カナダ政府の要請で設置も両国には深い溝

DSB会合では、「米国-カナダ産針葉樹材に関する相殺措置」および「米国-差異価格法を用いたカナダ産針葉樹材に関するアンチダンピング措置」の2つのパネルの設置を決めたが、米国は特に後者について、1月の2国間協議で討議されなかった内容が含まれるとして当該内容が討議の対象とならないことなどを主張しており、カナダと米国の対立の溝は深い。

パネル会合には、当事国以外の加盟国のうち関心を有する国が第三国として参加要請が可能で、日本、EU、韓国、中国、トルコ、ロシア、ブラジル、カザフスタン、ベトナムが参加権利の留保を表明した。

次回のDSB会合は4月27日に予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ、米国)

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