Tax Free制度の試験運用を開始

(ロシア)

モスクワ発

2018年04月17日

外国人がロシア国内で商品購入時に支払った付加価値税(VAT)を、出国時に還付申請できるTax Free制度の試験運用が4月10日から国内4都市で開始された。4都市は、モスクワ市、モスクワ州クラスノゴルスク市、サンクトペテルブルク市、クラスノダル地方ソチ市。試験運用の期限は2018年末まで。

対象となるのは、ユーラシア経済連合加盟国の国籍者を除く外国人。対象店舗で1日に付加価値税込みで合計1万ルーブル(約1万7,000円、1ルーブル=約1.7円)以上の購入した場合に適用される。ただし、アルコール製品、たばこ製品などの物品税対象品目には適用されない。

還付手続きは以下のとおり。

  1. 店舗での支払いの際にパスポートを提示しTax Free用の特別なレシートを貰う。
  2. 出国時の国境ポイントで、税関職員が商品の未使用を(タグやラベルが付いたままで包装されている状態)確認し、Tax Free用のレシートにスタンプを押す。
  3. 購入者は所定の窓口(Tax Freeオペレーター:税還付サービス提供事業者が指定する両替所など)で、現金あるいはクレジットカードへの振り込みなどで還付を受ける(工業商務省発表4月2日)。

VAT税率18%からTax Freeオペレーターの手数料を引いた額が還付されるが、工業商務省のビクトル・エフトゥホフ次官によると、試験運用期間中の還付率は10~12%になるとしている(RBK4月10日)。

Tax Free制度を導入する店舗はモスクワ市10カ所、モスクワ州クラスノゴルスク市2カ所、サンクトペテルブルク市1カ所、ソチ市2カ所(2018年2月6日付連邦政府決定第105号)。

還付申請をできる国境ポイントは、a.モスクワのシェレメチェボ空港、b.ドモジェドボ空港、c.ブヌコボ空港、d.サンクトペテルブルクのプルコボ空港、e.クラスノダル地方のソチ空港、f.ウラジオストクのクネビチ空港、g.カリーニングラード州マモノボとポーランドのグジェホトキとの間の国境ポイント(陸路)、h.ウラジオストク港(2018年2月7日付連邦政府指示第237-r号)。

マントゥロフ工業商務相は、Tax Free制度を今後ワールドカップ開催都市に拡大したいとしている(工業商務省発表3月26日)。

(齋藤寛)

(ロシア)

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