岩手県、雲南省昆明に事務所を開設

(中国、日本)

成都発

2018年04月27日

岩手県雲南事務所の開所式典が4月18日、雲南省昆明市内のホテルで開かれた。同事務所は4月2日から業務を開始しており、同県の海外事務所としては、ソウル、大連に次いで3カ所目となる。

式典には、岩手県から、達増拓也知事、県議会議長および議員、県庁幹部のほか、いわて産業振興センター、地元商工関連団体、岩手大学、企業などの関係者が出席。また、在重慶日本総領事館の小松道彦総領事も来賓として出席した。雲南省からは、李瑪琳副省長を筆頭に、雲南省人民政府の渉外、科学技術、商務、農林などの各政府部門の幹部ほか、大学、商工団体、旅行会社などの関係者が出席した。

南部鉄瓶とプーアル茶で関係強化

岩手県は、これまでに、中国で南部鉄瓶の販路開拓を推し進める中で、上海の販売パートナーを通じて、プーアル茶の産地として有名な雲南省プーアル市との関係を構築してきた。2010年4月には、南部鉄瓶とプーアル茶を相互に宣伝することなどを定めた「協力交流強化に係る協定」をプーアル市との間で締結。同年5月には上海万博で同市と共同出展を行い、南部鉄瓶とプーアル茶を共同展示し、中国の愛好家から注目を集めた。さらに、2013年11月には、雲南省との間で「友好交流協力協定」を締結、中高生の相互訪問による交流や、農業技術の交流など、分野を広げるかたちで同省との関係を深めてきた。

式典で達増知事は、これまでの岩手県と雲南省との交流の経緯に触れ、物産や農林、観光、青少年交流における相互協力を多面的に発展させていきたいと述べた。これに対し、雲南省の李副省長も、継続的に交流を続けてきたことが重要で、今回の事務所の開設を契機として、両地域に新たな活力が生まれることを期待すると歓迎の意を表明した。

雲南事務所は昆明市内のオフィスビル内にあり、現地スタッフ2人が常駐する。当面の活動として、昆明市で2018年6月に開かれる南アジア博覧会への県産品出展や中高校生による相互訪問を計画している。

(田中一誠)

(中国、日本)

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