労働許可証発行の料金体系を改定

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年01月12日

アラブ首長国連邦(UAE)人的資源・自国民化省は、2017年12月4日から、労働許可証の料金システムを変更すると発表した。新料金システムでは、各企業は従業員の技能レベルの高さや国籍の多様性によって1~3のカテゴリーに分けられ、発行料は企業のカテゴリーと、被雇用者の技能レベルや雇用時点でUAE国内に居住しているかどうかで決まる。

技術レベルや国籍の多様性に基づく新料金

人的資源・自国民化省の発表によると、2017年12月4日から労働許可証の発行料金システムを変更し、新料金システムでは各企業は従業員の技能レベルの高さや国籍の多様性によって1~3のカテゴリーに分けられ、発行料は企業のカテゴリーと、被雇用者の技能レベルや雇用時点でUAE国内に居住しているかどうかで決まる。なお、この労働許可証発行料は、UAEを含む湾岸協力会議(GCC)の国籍所有者を雇用する際には課されない。

労働許可証発行の新料金体系は表1のとおりで、原則2年ごとに更新が必要だ。

表1 労働許可証の発行料金(単位:ディルハム)
カテゴリー名 UAE国外に
居住している
UAE国内に
既に居住している
定義
技能
労働者
半熟練工 技能
労働者
半熟練工
カテゴリー1 300 300 300 300 自国民化パートナーズクラブの会員企業、ユースプロジェクト・サポート機関の会員企業
カテゴリー2A 500 1,200 1,500 1,000 技能労働者の割合が40%以上かつ同一出身国出身者の割合が50%以下
カテゴリー2B 1,000 2,200 1,000 2,000 技能労働者の割合が10%以上40%未満かつ同一出身国出身者の割合が50%以下
カテゴリー2C 1,500 2,700 1,500 2,500 技能労働者の割合が5%以上10%未満かつ同一出身国出身者の割合が50%以下
カテゴリー2D 2,000 3,200 2,000 3,000 技能労働者の割合が5%未満または同一出身国出身者の割合が50%以上
カテゴリー3 5,000 5,000 5,000 5,000 労働法違反を1つ以上犯した企業

(注)自国民化パートナーズクラブ:政府が労働市場に対し重要な役割を果たしていると認めた民間企業が加盟できる。ユースプロジェクト・サポート機関:政府が定めた条件を満たす中小企業。
(出所)Khaleej Timesなどの現地報道

さらに、既にUAE企業で働いている労働者のUAE国内での転職に関しては、登録料100ディルハム(約3,000円、1ディルハム=約30円)と、表2の移転許可料が別途、必要になる。

表2 移転許可料金(単位:ディルハム)
カテゴリー名 技能労働者 半熟練工
カテゴリー1 150 150
カテゴリー2A 250 500
カテゴリー2B 500 1000
カテゴリー2C 750 1250
カテゴリー2D 1,000 1,500
カテゴリー3 2,500 2,500

(出所)Khaleej Timesなどの現地報道

人的資源・自国民化省は、労働者の技能レベルを教育水準に基づき、レベル1が大卒以上、レベル2が各分野での資格所有者、レベル3が高卒と分類している。ジェトロが同省に確認したところ、レベル1、2に該当する雇用者が技能労働者となる。

UAEでは民間セクターの労働力の90%以上を外国人が占めており、外国人の雇用に制限はないが、自国民化推進のため、以前から国籍の多様性に基づく労働許可証発行システムになっていた。今回のシステム改正により、労働者の技能レベルという観点が加わった。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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