山東省の最低賃金、6.9%増の1,710元に引き上げ
(中国)
青島発
2016年06月03日
山東省は5月25日、法定最低賃金を改定した。月額最低賃金は、省都の済南市、青島市などの1類地域が前年比6.9%増の1,710元(約2万9,070円、1元=約17円)となった。また、2016年の賃金ガイドラインは賃金増加率の下限値を3%、基準値を8%、上限値を13%と設定し、ここ8年間では最低の水準となる。
<例年より遅れ、6月から改定>
山東省人力資源・社会保障局は5月25日付で、2016年度最低賃金の改定値を発表した(表1参照)。改定後の月額最低賃金は、1類地域が1,710元、時給は17.1元になった。1~3類地域とも、上昇率は6.9%で、この基準は2016年6月1日から実施される。
山東省の法定最低賃金の改定値は、例年、2月下旬から3月上旬に発表されており、2015年は3月1日に改定された(表2参照)。2016年は、広東省が最低賃金の引き上げを見送るなどしたため、山東省でも同様の予測が高まっていた中での引き上げ発表となった。
青島市では、1類地域と2類地域の改定値が適用される(表3参照)。月額最低賃金は6区(市南区、市北区、李滄区、労山区、黄島区、城陽区)が1,710元、4市(膠州市、即墨市、平度市、莱西市)が1,550元で、時給の最低額はそれぞれ17.1元、15.5元となる。
<賃金ガイドラインは8年来で最低水準の伸び>
また、山東省政府は5月20日付で賃金ガイドラインを発表した(表4参照)。賃金ガイドラインは、強制力はないものの賃上げの参考値として政府が発表しており、今回で18年連続となった。2016年の賃金ガイドラインは賃金増加率の下限値を3%、基準値を8%、上限値を13%と設定し、前年比でそれぞれ1ポイント、2ポイント、7ポイント引き下げ、ここ8年間では最低の水準だ。
<青島市の労働者月平均賃金は4,476.3元に>
山東省の統計によると、2015年の青島市の労働者平均年収は5万3,715元(月平均4,476.3元)となり、2014年より5,262元増加した。名目上は10.9%増、物価要素を除いた実質で9.5%増だった。
同市の都市非私営企業の労働者平均年収は6万9,465元となり、2014年比で7,361元増加した。名目上は11.9%増、物価要素を除いた実質で10.5%増となった。また、都市私営企業の労働者平均年収は4万1,737元で、2014年より3,667元増加した。名目上は9.6%増、物価要素を除いた実質で8.3%増だ。
同市の2015年の域内総生産(GRP)は9,300億700万元(前年比8.1%増)で、労働者賃金総額がGRPに占める割合は18.1%(前年比1ポイント増)と、ここ10年間で最高になった。
(佐藤秀二)
(中国)
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