海関総署、全国通関一体化改革措置を上海でテスト-手続き場所の選択が可能に-

(中国)

上海発

2016年06月10日

 海関総署は、上海市で全国通関一体化改革措置のテストを開始することを明らかにした。輸出入企業は通関検査現場の税関で輸出入申告や関税納付などの手続きをすることが一般的だが、全国通関一体化改革措置で、出荷・入荷地の税関でも通関手続きを可能にするのが目標だ。

<統一の電子情報システムの構築で実現へ>

 海関総署は61日、上海市で全国通関一体化の改革措置を試験的に開始し、このテストが順調なら、同改革措置を全国に普及させる方針だと発表した。

 

 海関総署は上海税関に、リスク防止センター〔中国名「海関総署風険防控中心(上海)」〕と税収徴収管理センター〔中国名「海関総署税収徴管中心(上海)」〕を設立し、国・上海税関で統一した電子情報システムを構築する。リスク防止センターは輸出入貨物のリスク分析、監視監督と処理を行い、税収徴収管理センターは貨物の関税分類、価格、原産地などのチェックを担当する。

 

 海関総署は統一した電子情報システムを通じて、リスク防止センターと税収徴収管理センターを直接管理し、通関検査の現場と通関手続きの現場に業務指令を出す。システムを統一することにより、通関検査と通関手続きを同じ税関で行う必要がなくなる。輸出入企業は、出荷・入荷地の税関で輸出入申告や関税納付などの通関手続きを済ませることが可能になり、通関時間の短縮と物流コストの節約ができる。

 

(文涛)

(中国)

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