クラスター政策の恩典付与は政府事業への協力が条件-改造内閣の産業政策(3)-
(タイ)
バンコク発
2016年01月25日
産業クラスター政策についての後半は、恩典を受けられる条件について整理した。タイ改造内閣の産業政策シリーズの最終回。
<人材開発面では5事業を例示>
タイ投資委員会(BOI)は2015年11月20日付で布告10/2558の説明文書を出しているが、現時点ではタイ語版しか公表されていない。このタイ語の説明文書、布告10/2558および2015年11月に開催されたバンコクと東京でのBOIセミナーでの配布資料によると、主な条件は次のとおり。
(1)人材開発および技術向上を図るためのタイ政府の事業への協力
当該クラスターに立地する教育機関、研究機関もしくは中核的研究拠点(センター・オブ・エクセレンス)と、人材開発または技術向上のための協力があること。BOI事務局が同意する人材開発または技術向上のための協力などでは、5事業が具体例として挙げられている(表1参照)。
(2)申請・操業開始時期に関する条件
2016年12月30日までに、奨励申請書とともに各事業の関係機関との協力計画をBOIに提出し、2017年12月31日までに最初の売り上げがなければならない。ただし、大規模事業の場合などは、必要に応じてBOI事務局が操業開始期限の延長を検討する。
(3)協力事業の条件の詳細
表1で例示した協力事業を行うに当たっては、表2に示す申請手続きを踏む必要がある。また表1の(2)~(4)の事業については、インターン生の受け入れという点で共通しているため、記載事項も共通している。
なお、(1)~(5)全ての協力について条件に従っている証拠を示すため、2017年中に協力機関との覚書(MOU)または契約書、最初の売り上げインボイスをBOIに提出しなければならない。ジェトロ・バンコク事務所がBOIに確認したところ、これらの条件が満たされない場合は通常の恩典が付与され、クラスターとしての恩典を得ることができないということだった。
(長谷場純一郎)
(タイ)
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