世界の政治・経済日程(2015年12月~2016年2月)

(世界)

国際経済課

2015年11月30日

 WTO12月、第10回閣僚会議(MC10)をケニアの首都ナイロビで開く。アフリカでの閣僚会議開催は初めて。アゼベド事務局長は、後発途上国を中心とした途上国に対する開発分野の議論が進展することに期待している。これに関連し、MC10ではアフガニスタンの加盟についても正式決定が行われる予定だ。

 

 2013年にバリで行われた前回閣僚会議では、ドーハ・ラウンドの交渉分野のうち貿易円滑化などを先行させるかたちで部分合意(バリ合意)に達した。貿易円滑化協定は、発効すれば世界の輸出額を最大1兆ドル以上底上げすると試算される。発効には全161加盟国の3分の2以上の批准が必要だが、201511月時点で批准した国は52ヵ国にとどまっている。このため、MC10に合わせた発効は見送られる見通し。

 

 バリ合意では、今後のドーハ・ラウンドの交渉計画を策定することでも合意していた。締め切りは7月末とされていたが、交渉はまとまっていない。アゼベド事務局長は、関税やサービスの自由化といった主要分野の交渉が難航していることを認めた上で、MC10では、途上国開発、農業補助金、透明性の向上など、一部の分野では成果を出せる可能性があると期待も示し、そのためには、加盟各国が真剣に交渉に関与し、柔軟性を発揮することも重要だと指摘した。

 

 関税撤廃やサービスの自由化については、有志国による特定分野での合意を目指すプルリ協定を重視する姿勢も鮮明になっている。このうち関税撤廃の対象拡大を目指す情報技術協定(ITA)は、7月末に全201品目に上るリストに合意し、MC10での採択が見込まれていた。しかし、関税撤廃に要する期間について交渉がまとまらず、採択されるかは不透明だ。

 

12月>

121518日 WTO10回閣僚会議(ケニア・ナイロビ)

 

20161月>

12023日 世界経済フォーラム年次会合(スイス・ダボス)

1月中 IMF世界経済見通し(World Economic Outlook)改訂版発表

1月中 世界銀行世界経済見通し(Global Economic Prospects)発表

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