企業法の施行細則、企業登録に関する政令を公布

(ベトナム)

ハノイ事務所

2015年10月14日

 ベトナム政府は9月14日、7月の改正企業法の施行細則として企業登録に関する政令78/2015/ND-CP(以下、政令78号)を公布した。同政令は、従来の同分野に関する政令43/2010/ND-CPおよび05/2013/ND-CPに代わり、11月1日から施行される。

<企業登録手続きの簡素化が目的に>

 政令78号は、必要書類や企業登録手続きなどの取り扱いを規定したもので、主な内容は以下のとおり。

 

○企業コードの発行(8条)

 各企業に、税コードを兼ねた単一の企業コードが発行されることになる。同コードは国家企業登録情報システム、税登録情報システムにも共有され、企業登録証明書(ERC)にも記載される。

 

○企業登録証明書の発給期間(28条)

 企業登録局は、必要な書類を受領した日から3営業日以内にERCを発給することとされている。

 

○会社印(34条)

 企業は支店、駐在員事務所も含め、自社の会社印の形式、内容、数量に関して決定することができる。企業およびその支店、駐在員事務所が会社印の使用・変更・廃棄を行うに当たっては、企業登録情報システムへの掲載依頼のために、事前に各所在地の企業登録局に通知を行う必要がある。

 

○電子申請(35条)

 ERCの申請に際しては、電子申請も可能となった。電子申請を行う申請者は、電子署名または企業登録アカウント(企業登録情報システムにより作成されるアカウント)のいずれかにより、手続きを行うこととなる。

 

○既存企業の取り扱い(81条)

 投資許可証や投資証明書などを既に取得している企業は、当該許可などの下で事業を継続でき、ERCの申請を義務付けられることはない。他方、企業登録情報の変更はないもののERCの取得を希望する企業は、投資許可証や投資証明書などの公証写しおよび税務登録証明書の公証写しを申請書に添付して行うこととされている。

 

<投資法施行細則の公布も急務>

 7月の投資法・企業法の改正以降、施行細則が未公布だったことから、投資申請や企業登録の現場では大きな混乱が生じている。今回の政令により、規定上は企業登録手続きの簡素化が期待される一方、実際に施行後に運用面で課題が出てくる懸念が残る。このほか、新規投資の際に必要な手続きなどを規定する投資法の施行細則は、未公布のままとなっているため、早急な対応が求められている。

 

竹内直生

(ベトナム)

ビジネス短信 2c2b4fa23e3ca3f5