中国人民銀と通貨スワップ協定を締結
(タジキスタン、中国)
タシケント事務所
2015年09月14日
タジキスタン国立銀行(中央銀行)は9月3日、中国人民銀行と通貨スワップ協定を締結した。中国側には、人民元の国際化を中央アジアでも進めようという狙いがあるとみられる。
<人民元の国際化を進める狙い>
タジキスタン国立銀行によると、通貨スワップ協定は9月3日、首都ドゥシャンベを訪れた中国人民銀行の周小川総裁とジャムシェド・ヌルマフマドゾダ総裁との間で締結された。限度枠は30億元(約570億円、1元=約19円)、期間は3年間(プレスリリース9月7日)。
新華社通信(9月5日)によると、同協定はタジキスタンの国際収支と通貨ソモニの安定を期し、エネルギー、農業、工業分野や中小企業の発展を目的としており、中国側には人民元の国際化を進める狙いもあるという。台湾系電子メディアWant China Times(9月8日)は同協定の締結を受け、「人民銀行は既に30ヵ国以上と総額3兆元に上る同様の通貨スワップ協定を締結済み」と報じた。
締結後の9月5日、ソモニは市中交換所のレートで1ドル=6.8333~6.8467ソモニで推移した。8月31日~9月4日の6.7980~6.8078ソモニに比べやや下落しており、今のところ市場が通貨スワップ協定を好感したとは言い難い。
中国側の通関統計によると、2014年の中国の対タジキスタン輸出は24億6,900万ドルで、2000年の680万ドルに比べ363倍と飛躍的に伸びている。主な品目は衣類(18.7%)、履物(10.9%)、機械(7.5%)、輸送機器(7.3%)だ。輸入は4,770万ドル(2000年:1,040万ドル)で、主な品目はアンチモン(63.1%)、綿花(12.8%)、アルミニウム(9.6%)となっている。
(下社学)
(タジキスタン、中国)
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