4税関特殊監督区の企業登録システムを統一-上海自由貿易試験区で8項目の新たな通関改革措置-

(中国)

上海事務所

2015年07月03日

 上海税関は2014年に中国(上海)自由貿易試験区で23項目の通関改革措置を行ったが、2015年には新たに8項目の改革措置を実施すると発表した。4つの税関特殊監督区の税関の企業登録システムが統一されていない問題や、通関貨物の分類結果が全国で共通化されていない問題が解決されるか注目されている。

<通関貨物の分類結果が全国共通に>

 上海税関は624日、上海自由貿易試験区で2015年に実施する8項目の通関改革措置を発表した。概要は表のとおり。

 8項目の改革措置のうち、「1.税関のリスト式法律執行管理制度」の構築は税関の行政効率を向上させ、「2.オフショアサービス・アウトソーシング全過程の保税監督制度」は同試験区でのオフショアサービス・アウトソーシング業務を促進し、「3.大口商品現物取引市場の保税取引制度」は大口商品の保税取引機能を追加するものだ。「4.ワンストップ申告・検査制度」「5.1区登録、4区経営制度」「6.美術品便利通関制度」「7.通関貨物の分類決定の全国共通制度」「8.通関貨物分類方法の簡単明瞭化サービス制度」は、いずれも通関手続きを簡素化・効率化するための措置だ。

 

 これらのうち、「1区登録、4区経営制度」と「通関貨物の分類決定の全国共通制度」は特に注目されている。これまで4税関特殊監督区の税関の企業登録システムはそれぞれ異なり、企業が4税関特殊監督区のうち1つの監督区の税関に登録しても、他の監督区では新たに法人企業を設立しない限り税関登録と輸出入業務を行えず、同試験区を活用する上での障壁とされていた。また、各税関が決定した通関貨物の分類が他の税関では通用しなかったので、企業が異なる税関を利用する場合に納税コストを把握しにくいという指摘も多かった。

 

文涛

(中国)

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