改正投資法・企業法に関し暫定的な手続き概要示す-急がれる施行細則の公布-
(ベトナム)
ハノイ事務所
2015年07月17日
改正投資法・企業法が7月1日から施行されたが、現時点で施行細則は制定されておらず、担当省庁による素案作成が行われている状況だ。このため、同法施行に先立って、計画投資省は改正法下での投資登録・企業登録手続きに関する暫定的なオフィシャルレターを発行した。
<改正法下での投資登録・企業登録手続きの概要>
「投資法の展開および実施に関するオフィシャルレター(4366/BKHDT-PC)」によると、例えば7月1日以前に投資認可申請を行い審査が完了したが、同日を過ぎても投資証明書(Investment Certificate)が発給されていない場合には、投資登録機関は投資家に対して改正法下での投資登録証明書(IRC:Investment Registration Certificate)発行手続きを推奨する。投資計画の事前承認や許可が必要な案件で、7月1日以前にそれらを取得していた場合、投資家は改正法により要求される承認・許可手続きを再度申請することは求められない。
「投資法に基づく投資活動実施に関する受理手続きおよび形式に関するオフィシャルレター(4326/BKHDT-DTNN)」によると、IRCの受付は、改正投資法第38条の規定に従うこととなっている。IRCの申請者は国家投資ポータル(National Investment Portal)上で申請を行った後、15日以内に文書として提出し、申請書類が受理されると、申請状況を確認するための一時的なアカウントが発行される。IRCは改正投資法に基づいて投資登録機関から発給される。
なお、書類に不備や誤りがある場合には、行政機関による受理から3日以内に通知される。
また、「企業登録についての規定適用に関するオフィシャルレター(4211/BKHDT-DKKD)」によると、企業設立手続きは改正企業法第27条に基づいて、支店・駐在員事務所設立手続きは政令43/2010/ND-CP号第33条に基づいて行われ、投資証明書や投資許可証(Investment License)に基づいて活動している企業がそれぞれの内容を変更する場合は、企業登録証明書発行申請書と同政令に基づく書類を各地方の企業登録局に提出する必要がある。
旧企業法下で登録義務のあった社印については、改正企業法第44条に基づいて通知を行うこととされている。
<首相も法令の早期実行を指示>
上記の文書により一定の手続き指針は示されたものの、あくまで関係機関の内部通達の位置付けであり、改正投資法・企業法の施行細則はいまだに公布されていないのが現状だ。こうした状況下で、グエン・タン・ズン首相が、関係機関に対して早期に同法令を実行に移すよう命じた、と地元メディアでは報じている。
ハノイ市内では、改正法施行日の7月1日以降に新規法人設立申請を行った場合には行政側の処理方法が不明確なため、クライアントに対して申請認可のスケジュールを提示することが困難(当地日系コンサルタント)という情報もある。1日も早い施行細則の公布と行政手続き面での体制構築が急がれる。
(注)改正投資法・企業法の和訳は、JICAウェブサイトを参照のこと。
(竹内直生)
(ベトナム)
ビジネス短信 0bc60c56654104a1