第1四半期のGDPは4四半期連続のプラス成長

(オランダ)

アムステルダム事務所

2015年06月08日

 オランダ中央統計局(CBS)は5月18日、2015年第1四半期の実質GDP成長率を前期比0.4%、前年同期比2.4%と発表した。2014年第2四半期以降、前年同期比で4四半期連続のプラス成長となった。

<内需拡大が顕著に>

 実質GDP成長率を項目別にみると、輸出は3.0%だった一方、総固定資本形成がそれを上回る7.5%と高い伸びを示し、近年低迷を続けた民間最終消費支出も1.4%と内需の拡大が顕著だ(表参照)。

 CBSでは、企業による機械設備、通信機器およびソフトウエアへの投資、家計による住宅や輸送機器への投資、家具、電気機器、暖房、宿泊・外食への支出が増加傾向にある、としている。

 

<国内の消費ムードが上向く>

 可処分所得の増加、雇用状況の改善、住宅市場の回復などにより、国内の消費ムードは上向きだ。消費者信頼感指数は約7年半にわたってマイナスを記録し続けてきたが、20153月には2とプラスに転じた。小売売上高も2014年第2四半期以降、4四半期連続で前年同期比増となっている。設備稼働率は2014年以降上昇傾向にあり、20154月には81.8%と2008年のリーマン・ショック以降の最高値に達した。製造者信頼感指数(注)も2014年以降プラスで推移するなど、企業の景況感も改善している。

 

 2014年後半の予測では、2015年は輸出と設備投資に加え、個人消費の回復が成長を後押しするとみられていた。実際、そのとおりの立ち上がりになったといえるだろう。

 

(注)製造業のための景況感指数。数値はCBSが毎月実施する企業の景況感に関する調査結果から構成。

 

立川雅和

(オランダ)

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