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外商投資プロジェクトの管理を簡素化、届け出制を新設

(中国)

北京事務所

2014年07月07日

国家発展改革委員会は6月17日、「外商投資プロジェクト認可・届出管理弁法」(国家発展改革委員会令第12号、以下、弁法)を施行した。これにより、外商投資プロジェクトの認可権限の下部組織への委譲や、審査項目の廃止によるプロジェクト審査手続きの簡素化が進む。また、同委員会が2004年10月9日に公布した「外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法」(国家発展改革委員会令第22号)は廃止された。

<審査・認可と届け出の2方式で管理>
弁法は、外商投資管理体制改革をさらに進めるため、「中華人民共和国行政許可法」「外商投資指導方向規定」「国務院の投資体制改革に関する決定」および「政府が審査認可する投資プロジェクト目録(2013年版)」(以下、「審査認可目録」)に基づき、特に制定したとしている(第1条)。なお、国家発展改革委員会は、中国(上海)自由貿易試験区での経験を踏まえて同弁法を制定したとも説明している。

弁法のポイントは、外商投資プロジェクト管理を「審査・認可」と「届け出」の2方式に分けたことだ(第3条)。特に届け出方式では政府部門の審査・認可を不要とするなど、大幅な簡素化が図られた。また、審査・認可が必要なプロジェクトに関しても、要求される書類や記載項目が削減された。

「審査認可目録」に基づき審査・認可を実施する外商投資プロジェクトの範囲は弁法第4条に定められており、この範囲以外の外商投資プロジェクトは、地方政府の投資主管部門に届け出ることになる(第5条)。

<審査・認可の実施範囲が大幅に縮小>
審査・認可が実施される外商投資プロジェクトは以下のとおり(表参照)。

(1)「外商投資産業指導目録」の中で中国側のマジョリティー持ち株(相対マジョリティーを含む)が要求される投資総額(増資を含む)3億ドル以上の奨励類プロジェクトと、5,000万ドル以上の制限類プロジェクト(不動産以外)は国家発展改革委員会が審査・認可する。

(2)「外商投資産業指導目録」制限類の中の不動産プロジェクトと、投資総額(増資を含む)5,000万ドル未満の不動産以外の制限類プロジェクトは省級政府が審査・認可する。「外商投資産業指導目録」の中の中国側のマジョリティー持ち株(相対マジョリティーを含む)が要求される投資総額(増資を含む)3億ドル未満の奨励類プロジェクトは省級を含む各地方政府が審査・認可する。

(3)前2項の規定以外で「審査認可目録」第1〜11項に記載された外商投資プロジェクト(農業水利、エネルギー、交通運輸、情報産業、原材料、機械製造、軽工業、ハイテク、都市建設、社会事業、金融)は同目録第1〜11項の規定に基づいて審査・認可する。

(4)地方政府が審査・認可するプロジェクトについて、省級政府は実際の状況に基づいて、審査・認可の権限を地方各級政府に配分する。

審査承認を実施する機関と外商投資プロジェクトの範囲

<申請受理から20営業日以内に審査・認可>
審査・認可を申請する外商投資プロジェクトは、国家の関連要求に基づいて、以下の内容を含むプロジェクト申請報告を作成しなければならないとされている(第8条)。

(1)プロジェクトおよび投資者の状況
(2)資源利用・生態環境への影響分析
(3)経済・社会への影響分析

また、外商投資者による域内企業のM&Aプロジェクト申請報告には、M&A側の状況、M&Aの段取り、融資計画と被M&A側の状況、M&A後の経営方式、範囲と株主構成、所得収入の使用配分などを含まなければならないとされている。

国家発展改革委員会は必要に応じて、プロジェクト申請報告に用いる書式、主要業種のプロジェクト申請報告の見本書式、プロジェクト審査・認可文書書式を作成・公布する。また、国家発展改革委員会の審査・認可が必要あるいは審査後に国務院へ報告する必要があるプロジェクトに対しては、「サービス指針」を制定・公布し、プロジェクト審査・認可の申告資料と必要な補足資料、受理方式、手続き手順、手続き時限などの内容を明記し、プロジェクト申請者のために指導とサービスを提供するとしている(第9条)。

プロジェクトの審査・認可機関は、プロジェクトの申請を受理してから20営業日以内に、申請の審査・認可を終了させる。20営業日以内に審査・認可できなかった場合、本部門責任者は10営業日の延長を承認し、期限延長の理由をプロジェクト申請者に通知する(第15条)。

外商投資プロジェクトの認可条件は以下のとおり(第16条)。

(1)国家関連法律法規と「外商投資産業指導目録」「中西部地区外商投資優位産業目録」の規定に合致していること。
(2)発展計画や産業政策および参入基準に合致していること。
(3)資源を合理的に開発し有効利用すること。
(4)国家と生態の安全に影響を与えないこと。
(5)公衆の利益に重大で不利な影響をもたらさないこと。
(6)国家の資本項目管理や外債管理の関連規定に合致していること。

<届け出不受理の場合は7営業日以内に理由を説明>
また、外商投資プロジェクトの届け出については、申請者はプロジェクトと投資者側の基本情報などを提供し、中外投資者双方の企業登記証明資料、投資意向書および増資、M&Aプロジェクトに関する役員会決議などの関連資料を添付しなければならないとされた(第18条)。

さらに、外商投資プロジェクト届け出は国家関連法律法規、発展計画、産業政策および参入基準に合致し、「外商投資産業指導目録」「中西部地区外商投資優位産業目録」に合致しなければならないとも規定された(第19条)。

このほか、届け出を受理しない外商投資プロジェクトに対して、地方投資主管部門は7営業日以内に書面意見を作成し、理由を説明しなければならないとされている(第20条)。

<審査・認可、届け出機関の法的責任を明示>
プロジェクト審査・認可や届け出機関が弁法の関連規定に違反した場合、その上級行政機関あるいは監察機関は是正を命じ、状況が深刻な場合は行政処分を下すと規定された(第30条)。

他方、申請者に対しては、プロジェクトを分割あるいは虚偽の資料を提出するなど不当な手段で申請した場合は認可を与えない、もしくは届け出を受理しないとされた。また、既に認可あるいは届け出文書を取得している場合、認可・届け出機関は当該プロジェクトの認可あるいは届け出文書を取り消すと規定されたほか、既に建設を始めている場合、建設停止を命じるとされている。加えて、これらの機関および関連部門はそれらを不良案件として記録し、関連責任者の法的責任を追及するとしている(第33条)。

従って、プロジェクトの審査・認可および届け出に対する内容確認の厳格化も予想される。

なお、弁法の全文は国家発展改革委員会のウェブサイトで閲覧可能。

(真家陽一)

(中国)

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