日本産牛肉の輸入解禁は特定危険部位以外の全部位が対象−欧州委の保健・消費者政策総局課長にインタビュー−
ブリュッセル事務所
2013年02月19日
EUが2月6日の食品連鎖・動物衛生常設委員会(SCoFCAH)で、これまで認めていなかった日本産牛肉の輸入を承認したことを受け、ジェトロは2月12日、日本産牛肉の輸入解禁について、欧州委員会の保健・消費者政策総局(G7ユニット)のルイ・ルドビノ課長に聞いた。今後、欧州委が正式に決定し、早ければ2013年春にもEU官報に掲載された後に、輸入が正式に許可される見込みだ。
<合意から4〜6週間後に規則が発効見込み>
問:今回のSCoFCAHの合意を欧州委が正式に採択してから、2013年春ごろ官報に掲載され、規則が発効される見込みとされているが(2013年2月8日記事参照)、それまでの間にどのような手続きがあるのか。
答:SCoFCAHで合意が成立(加盟国代表者の投票で決定)した後、規則発効までには通常4〜6週間はかかる。通常の法制化プロセスにおいては、欧州委の正式採択、加盟国言語への翻訳、官報掲載などの手続きがあることから、これくらいの時間を要する。
<特定危険部位以外は基本的に輸入可能>
問:輸入が解禁となった牛肉について、部位によって輸入制限はあるか。
答:基本的にはどの部位でも輸入は可能。ただし、以下のような特定危険部位(SRM)、あるいはSRM由来製品、SRMが含まれている製品は輸入できない。
(1)月齢12ヵ月以上のウシの頭部(下顎は対象外、脳と眼球は含む)、脊髄
(2)月齢30ヵ月以上のウシの脊柱〔尾の脊椎骨、頸(けい)椎棘(きょく)突起、頸椎横突起、胸椎棘突起、腰椎棘突起、仙骨正中仙骨稜、仙骨翼は対象外、後根神経節は含む〕
(3)全ての月齢を対象とするウシのへんとう、十二指腸から直腸までの腸、腸間膜
問:今回の日本産牛肉の輸入解禁の合意は、日EU・経済連携協定/経済統合協定(EPA/EIA)交渉を促進するきっかけとなるか。
答:そのとおりと考える。
(小林華鶴)
(EU・日本)
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