欧州委、7月1日から放射線検査対象に岩手県産を追加

(日本、EU)

ブリュッセル発

2012年07月02日

欧州委員会は7月1日から10月31日まで、日本からの輸入食品・飼料の放射線検査の対象に、岩手県産のものを追加した。6月28日付官報にその旨を掲載した。

<6月30日以前に日本を出発した食品は対象外>
EU加盟国は、岩手県産の原木シイタケから上限値を超える放射性セシウムを検出したとの日本当局の報告を受け、2012年5月29日の食品連鎖・動物衛生常設委員会(SCoFCAH)会合で、放射線検査の対象に岩手県の追加を決定した(2012年5月30日記事参照)

欧州委員会は6月27日、SCoFCAHの決定を正式に採択し、改正規則となる欧州委員会実施規則(561/2012)(PDF)を6月28日付けの官報に掲載した。

7月1日以降は輸出証明書として実施規則の付属書1が有効となる。ただし、同規則の発効より前(6月30日以前)に日本を出発した食品あるいは輸出証明書が発行され同規則の発効から10営業日以内に日本を出発した食品に関しては、旧規則〔 欧州委員会実施規則(284/2012)〕の輸出証明書も有効。

11年のEUの日本からの食料品および動物の輸入は、前年比8.1%減の1億3,200万ユーロとなった(EU統計局貿易データベース)。10年は19.6%増だったこと、11年のEU域外からの食料品および動物の輸入は13.8%増だったこと、月別でみると3月に駆け込み需要がみられることなどから考えると、食品輸入規制の影響が大きかったようだ。ただし、10.3%減だったアルコール飲料については、12年4月には酒類の輸出に証明書が不要となるなど、規制は徐々に緩和されており、月別にみても輸入は回復している(図参照)。とはいえ、岩手県を対象に加えたことはEUが引き続き状況を注視していることを示している。

EUの食料品・動物の輸入の推移

(小林華鶴)

(EU・日本)

ビジネス短信 4ff1004427100