サービスの輸出入取引も事前申告制度の対象に

(アルゼンチン)

サンパウロ発

2012年03月01日

2月1日から開始された輸入取引事前申告制度について、同制度を進めている公共歳入連邦管理庁(AFIP)は、サービスの輸出入についても4月1日から同様の申告手続きを始めると官報で発表した。外貨の流出入の管理が目的だといわれている。

<サービス取引に伴う外貨の管理が狙い>
AFIPは2月22日、同庁決議第3252/12号、3255/12号、3256/12号などによって定められた「貿易電子単一窓口」に、サービスの輸出入の申告も含めると決議第3276/12号で定めた。

4月1日から、海外のサービス企業から国内でサービスを受ける場合、または国内のサービス企業が海外にサービスを提供する場合、事前に宣誓供述書(DJAS)による申告が必要となる。AFIPはこの措置によって、外国とのサービス取引による外貨の移動を管理することを目的としているようだ。

該当する企業は、財に対する輸入取引の事前宣誓供述書(DJAI、2012年2月27日記事参照)による申告制度と同様に、AFIPのウェブサイト上で取引するサービスの契約内容を申告し、AFIPと同制度に参加する関連機関の審査を受ける。審査を経て取得したDJAS番号は、AFIP総決議第3210/11号に基づく為替取引管理システムに報告と登録が求められる。

同制度の対象になるサービスは、電子および情報サービス、特許および商標権、ロイヤルティー、著作権、サッカー選手のレンタル契約金、ビジネス・企業・技術サービス、文化・娯楽・パーソナルサービス、財・サービス輸出による保証支払い、映画・ビデオ・音声の頒布権、技術移転サービス、そのほかの海外への支払い、非金融資産の購入など。また、金額面では、契約金額が総額10万ドル以上の取引、分割払いの場合は1回の支払額が1万ドル以上の取引が対象になる。

DJASで申告するデータには、契約の日付、契約が締結された場所、サービスが行われる場所、契約期間、サービス提供者の氏名、企業名、納税番号またはID、住所、居住国、サービス内容、契約または請求書の合計金額、支払い方法などが含まれる。

現地報道によると、アルゼンチン輸入業者協会(CIRA)のサンティステバン会長は、審査機関には貿易取引を管理している国内商業庁が参加すると説明している。申告内容の審査期間は決まっていないが、DJAIと同様に、AFIPが72時間以内、参加した関連機関が10日になるとみられている。

国家統計センサス局(INDEC)の統計によると、11年1〜9月の海外からのサービス輸入額は119億1,700万ドルと、サービス輸出額(103億1,300万ドル)を上回り、収支は16億300万ドルの赤字だ。サービス輸入額のうち、運送サービス契約が32億6,250万ドル、ロイヤルティーが12億1,970万ドル、リース・売買・アドバイス関連サービスが13億9,000万ドルなどとなっている。

(紀井寿雄、シルビア・ヤマキ)

(アルゼンチン)

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