浦東、虹橋空港への到着便における機内検疫が終了−発熱者に対する検査入院措置などは引き続き実施−
上海発
2009年07月24日
浦東空港と虹橋空港における、新型インフルエンザ対策として実施されてきた機内検疫が終了した。発熱者との濃厚接触者に対する検疫当局による停留措置も併せて終了した。そのほかの対策措置は、引き続き実施される。
<検疫官による機内乗務員への確認で代替>
浦東空港と虹橋空港では、すべての国内入国便に対して機体到着後、検疫官による検温措置を行ってきた。新型インフルエンザ発生を契機とし、感染国からの到着便に対し機内検疫を実施、5月19日に日本からの到着便が検疫対象に追加された。上海市で初の感染者が確認された5月25日からは、全入国便が機内検疫の対象となっていた(2009年5月27日記事参照)。
検温に要する時間は、1人当たりの所要時間は数秒だが、乗客人数に応じて、15分から40分程度の時間を要してきた。
今後は、空港到着後に検疫官が機内乗務員に発熱者の有無を確認し、発熱者が確認されない場合は、検疫官による機内検疫は実施されない。
<濃厚接触者の停留措置も終了>
発熱者など感染の疑いがある乗客が確認された場合、当該乗客は、引き続き指定病院における検査の対象となるが、濃厚接触者(発症者を中心に前後3列と左右3人の計8人)に対する検疫当局の停留措置はとられなくなった。
ただし、降機後の検疫ブースにおけるサーモグラフィーによる検疫と健康質問票の記載内容の照合は、引き続き実施される。
検疫当局における検疫体制は緩和されたものの、中国全土の感染者数は引き続き増加しているため、引き続き留意する必要がある。そのため、「手洗い、うがいの励行など感染防止対策の徹底」(在上海日本総領事館)や「検疫官による機内確認のため、降機のアナウンスがあるまでの着席」(日系航空会社)が求められている。
(志村和俊)
(中国)
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