江蘇省、環境保護信用度の低い企業に対し電気使用料引き上げ

(中国)

中国北アジア課

2019年06月14日

江蘇省生態環境庁は5月17日、「環境保護信用評価の結果に基づく差別化価格の実施政策にかかる通知」(蘇発改工価発〔2019〕474号)(以下、通知)を発表した。環境保護信用評価(注)の低い企業に対し、7月1日から電気使用料を引き上げるとした。

中国は2014年3月に「企業の環境信用評価弁法(試行)」(以下、弁法)を施行した。弁法は、汚染物の排出量の多い企業や生態環境に影響を及ぼす企業に対し、環境への取り組みにかかる評価を実施するもので、結果は公開され、社会全体の企業信用システムの構築を目的としている。評価は省レベルの環境保護部門が行う。

江蘇省では1月、「江蘇省企業の環境保護信用評価暫定弁法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で対象企業の評価基準を発表した。対象企業は、緑(信用できる)、青(どちらかといえば信用できる)、黄(どちらかといえば信用できない)、赤(あまり信用できない)、黒(信用できない)の5段階で評価される。このうち、黄、赤、黒と評価された企業に対しては、環境部門による査察の頻度が高くなるなどの措置が取られる。

今回の通知では、環境保護信用評価の結果が赤と黒の企業に対し、電気使用料をそれぞれ1キロワット時0.05元と0.1元(約0.8円と1.6円、1元=約16円)ずつ引き上げるとした。赤や黒の評価は、「江蘇省企業環境保護信用評価システム」のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公表された結果を参考に、公表後の状況変化を踏まえて江蘇省生態環境庁が最終的に判断する。

(注)企業が生産や経営活動において、環境法や環境基準などを順守し、環境保護責任を履行しているかについて評価するもの。

(方越)

(中国)

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