等身大の中国市場を理解する台頭する中国企業とAI+が変えるビジネス
変化する中国市場(後編)

2024年11月27日

中国におけるビジネス環境の変化について、前編では「人」と「お金」の面に焦点を当てた。後編では、日本企業の競争相手として急速に存在感を高める中国企業と、その背後にある中国における産業の高度化を捉える。また、足元の関連政策の方向性を整理しながら、今後の日本企業の中国市場での競争力強化に向けた課題について、AIの実装化に焦点を当てながら考察する。

最大の競争相手、中国企業の存在感が拡大

ジェトロが進出日系企業を対象に実施しているアンケート調査「進出日系企業実態調査」の2024年度の結果によると、中国進出日系企業の現地市場(中国)における1番の競争相手として、「中国企業」と回答した割合は80.3%に上った(図1参照)。

図1:在中国進出日系企業の現地市場における1番の競争相手
中国企業が80.3%、日本企業が10.5%、欧州企業が4.5%、米国企業が2.1%、その他が2.6%。

出所:ジェトロ「2024年度 海外進出日系企業実態調査」

日系企業へのヒアリングにおいても、「中国市場における競争相手は中国企業であり、その実力がさらに高まっている」など、中国企業の台頭に対して強い危機感を示すコメントが多数聞かれた。

それでは、現下における中国企業の競争力とは、具体的にどのような点を指すのだろうか。図1において、1番の競争相手として「中国企業」と回答した進出日系企業に対し、最大の競争相手と考える理由を複数回答で尋ねたところ、「コスト競争力」(84.7%)と「意思決定の速さ」(55.8%)との回答が突出した(図2参照)。

図2:1番目の競争相手として「中国企業」を選んだ進出日系企業が
最大の競争相手と考える理由(複数回答)
コスト競争力が84.7%、意思決定の早さが55.8%、現地企業との連携27.5%、営業力の高さが27.3%、市場ニーズに適した製品サービスの開発力が26.1%、販売ネットワークが24.0%、製品・サービスの技術力が23.8%、ブランド・知名度が21.2%。

出所:ジェトロ「2024年度 海外進出日系企業実態調査」

ジェトロが2024年7月から9月にかけて、中国でビジネスを展開する日系企業に対して実施したヒアリング(延べ89社)においても、中国企業の強みとして(1)コスト競争力、(2)スピードを挙げる声が目立った。うち(1)については、多額の投資を通じた工場の自動化、生産・管理の効率化などに由来するコスト競争力を指摘する声も聞かれた。以前から指摘されてきた、簡素化されたスペックや人件費などを背景としたコスト競争力とは異なる点に注目したい。(2)については、中国企業の特徴とされてきた「意思決定の速さ」を由来とするスピードの速さのみならず、開発・製品投入までのスピードの速さを指摘する声が目立った。ある日系自動車部品メーカーは、「地場系サプライヤーの開発のスピード感は、日本企業が1年かかるところを3カ月で対応してくる」と語る。このほか、技術面でのキャッチアップを中国企業の競争力と指摘する声も多数寄せられた。中国企業は、省人化や自動化といった生産・管理の効率化などを図る中で、コストパフォーマンスの向上とビジネススピードの加速を実現しており、これらが技術キャッチアップと相まって競争力を高めている状況がうかがえる。

「新たな質の生産力」に表れる政策の方向性

こうした中国企業の競争力向上には、中国政府が推し進めてきた産業政策が少なからず寄与していると考えられる。中国政府は一貫して、供給サイドの構造改革、すなわちイノベーションによる産業の高度化などを通じた、全要素生産性の向上(資本や労働の増加によらない、技術進歩や効率化による生産の増加)をより重視する政策を推進してきた。「第14次5カ年(2021~2025年)規画と2035年までの長期目標綱要」(以下、14.5規画)では、「質の高い発展の推進をテーマとして、供給サイドの構造改革の深化を主線とし、改革・イノベーションを根本的な原動力とする」などを大方針に掲げている。

一般的に、経済成長を決める要素として、生産設備などの「資本投入量」、労働力などの「労働投入量」、それ以外の「全要素生産性(TFP)」がある。中国政府は、2024年9月に法定退職年齢の段階的な引き上げの実施を発表するなど、人口構造の変化への対応を図っているが、本稿の前編で触れたとおり、急速な少子高齢化による「労働投入量」の減少は避けられない状況だ。こうした中で、中国が持続可能な発展を遂げるうえでは、資本投入量とともに、いかにTFPを引き上げるかが中国政府にとって至上命題となっており、その具体策として重視してきたのが供給サイドの構造改革である。

2024年3月の第14期全国人民代表大会第2回会議における李強首相の政府活動報告では、10項目の重点活動任務の筆頭に「現代的な産業システムの構築を大いに推進し、『新たな質の生産力』の発展を加速させる」ことが掲げられた。2024年7月に開かれた中国共産党の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)においても、供給サイドの構造改革の深化を進め、「新たな質の生産力」の発展に必要な体制・仕組みの整備を推進する方針が強調された。

2024年の政府活動報告において新たに登場した「新たな質の生産力」とは、習近平国家主席が2023年9月に黒龍江省を視察した際に初めて言及したとされる言葉だ。習国家主席は、「『新たな質の生産力』はTFPの大幅な向上を核として、『ハイテク、高性能、高品質』を特徴とする」と説明している。また、「『新たな質の生産力』は、先進的な生産力の質・状態であり、技術の革命的なブレークスルー、生産要素の革新的な配置、産業の深い転換・高度化によって生み出される」という(注1)。

政府活動報告では、「新たな質の生産力」の発展を加速するための具体策として、(1)産業チェーン・サプライチェーンの最適化・高度化の推進、(2)新興産業と未来産業の積極的な育成、(3)デジタル経済の革新発展のさらなる推進、の3点が示された(参考参照)。

参考:政府活動報告における「現代的な産業システムの構築を大いに推進し、新たな質の生産力の発展を加速する」ための具体策

(1)産業チェーン・サプライチェーンの最適化・高度化を推し進める
産業チェーン・サプライチェーンの強靭(きょうじん)性と競争力を高める
製造業の技術改良・高度化プロジェクトの実施 
在来産業のハイエンド化・スマート化・グリーン化の推進 
現代的サービス業の発展を加速
国際的影響力のある「メード・イン・チャイナ」ブランドをより多く打ち立てる
(2)新興産業と未来産業を積極的に育成する
戦略的新興産業の融合発展・クラスター発展を促進
インテリジェント・コネクテッド新エネルギー車など産業の競争優位性を維持・向上
水素、新素材、創薬など先端新興産業の発展を加速
バイオものづくり、民間宇宙産業、低空経済などを新たな成長エンジンとして積極的に発展させる
未来産業発展計画を策定し、量子技術、ライフサイエンスなど新たな競争分野を開拓
(3)デジタル経済の革新発展を踏み込んで推進する
デジタルの産業化と産業のデジタル化を積極的に推進し、デジタル技術と実体経済の高度な融合を促進
ビッグデータ、AI(人工知能)などの研究開発と応用を深化 〇「AIプラス」行動を展開
製造業のデジタル化により、インダストリアル・インターネットの大規模応用を加速
サービス業のデジタル化を推進し、スマートシティとデジタル農村を整備
プラットフォーム企業のイノベーション促進、雇用創出、国際競争での活躍を後押し
データ関連基本制度を整備し、データの開発・公開・流通・活用を大いに推し進める
デジタルインフラの整備を適度に前倒しし、国規模の計算資源システムの整備を加速

出所:第14期全国人民代表大会第2回会議における国務院・李強首相による政府活動報告(2024年3月)を基にジェトロ作成

うち、(2)の新興産業については、インテリジェント・コネクテッド新エネルギー車、水素、新素材、創薬、バイオ製造、民間宇宙産業、低空経済などが具体的な産業に挙げられた(注2)。また、未来産業については、2024年1月29日に工業情報化部、科学技術部などが発表した「未来産業の革新的発展の推進に関する実施意見」で「製造」「情報」「材料」「エネルギー」「空間」「ヘルスケア」を重点6分野として、技術イノベーションと産業育成を推進する方針が示されている(2024年2月7日付ビジネス短信参照)。

(3)のデジタル経済の革新発展のさらなる推進では、デジタルの産業化と産業のデジタル化(DX化)を積極的に推進し、デジタル技術と実体経済の高度な融合を促進するとうたっている。具体策として、ビッグデータ、人工知能(AI)などの研究開発と応用の深化、「人工知能+(AIプラス)」行動の展開、製造業およびサービス業のDX化の推進などが盛り込まれている。

これら具体策を踏まえると、「新たな質の生産力」とは、産業チェーンおよびサプライチェーンの基盤強化により、上述のような先端産業の振興を推進し、さらにデジタル技術と結びつけることで創出される新たな成長エンジンと捉えることができる。「14.5規画」の枠組みで掲げる発展の方向性を維持しながら、先端技術とデジタル技術との融合によるシナジーをより重視していこうとする政府の意図も読み取れる。

本格的な応用段階へ突入するAI技術

また、デジタル技術との融合に関しては、AI技術の応用をより重視する姿勢が表れている。既出の「AIプラス」行動の展開は、2024年の政府活動報告で初めて打ち出された。

これまで、2015年の政府活動報告で提起された「互聯網+(インターネットプラス)」行動計画では、インターネット技術と医療、物流、金融などのあらゆる産業との連携により、既存産業の新たな発展の推進を打ち出した。また、2019年の政府活動報告で新たに登場した「智能+(インテリジェント プラス)」では、主として製造業の構造転換・アップグレードに向けて、ICT技術を活用して産業を高度化する「インダストリアル・インターネット」を推し進めた。

こうした中で、中国のデジタル経済の規模は2023年に53兆9,281億元(約1,132兆4,901億円、1元=約21円)と、GDPに占める割合は42.8%に達した。また、産業のDX化(ここでいうDXとは、インダストリアル・インターネット、スマート製造、コネクテッドカーなど、伝統産業におけるデジタル技術の応用を通じた生産増加または効率向上)による付加価値額が、デジタル経済の規模全体に占める割合は81.3%に達している(注3)。

新たに打ち出した「AIプラス」では、次なる段階として、AI技術をあらゆる産業、あらゆる応用シーンに結びつける「AIの活用」段階への本格的な突入を表していると受け取れる。

AIに関する産業政策としては、国務院が2017年7月20日に初の国家レベルのAI発展計画として「次世代AI発展規画」を公布した。3段階に分けて推進していく「戦略目標」を示している(表参照)。第1段階では、2020年までに、AIの全体的な技術およびその応用を世界の先進レベルまで引き上げる。第2段階では、2025年までに、AIの基礎理論において重大なブレークスルーを実現し、一部の技術とその応用を世界トップレベルに到達させる。第3段階では、2030年までに、理論、技術、応用を全て世界トップレベルに到達させるとしている。

同計画の工程表に基づくと、現在、中国のAI産業政策は第2段階の最終段階にある。第2段階では、主な応用領域としてスマート製造、スマート医療、スマート都市、スマート農業などが示されている。このほか、交通分野では、百度(バイドゥ)が開発した自動運転システムを構築するAI「アポロ」を搭載した完全無人の自動運転タクシーがすでに武漢市、重慶市、北京市などで運行するなど、急速に社会実装が進む。乗用車においても、AI技術との融合による「スマート化」「コネクテッド化」にすでに競争の軸が移っている(本特集「日本の自動車企業が三重苦に直面(1)急激なNEV化が打撃」参照)。今後、AIの発展段階が第3段階に突入していく中で、さらに幅広い産業分野での応用の加速と深化が見込まれる。

表:次世代AI発展規画で示された主な目標と応用領域
項目 第1段階
~2020年
第2段階
~2025年
第3段階
~2030年
戦略目標 AIの全体的な技術・応用レベルを世界の先進レベルまで引き上げる 基礎理論が重大なブレークスルーを実現し、一部の技術と応用を世界トップレベルに到達させる 理論、技術、応用を全て世界トップレベルに到達させる
応用領域 重点領域における革新的な応用を展開 スマート製造、スマート医療、スマート都市、スマート農業、国防などの分野における幅広い応用を展開 生産、生活、社会ガバナンス、国防の各方面で応用の幅・深度を拡大

出所:国務院「次世代AI発展規画」を基にジェトロ作成

世界的にみても、AI技術における中国の存在感は高まっている。OECDがまとめた「影響力の高い」学術論文の発表数(注4)の国・地域別割合の推移をみると、中国は2019年にはEU(27カ国)と米国を上回り、世界1位に躍り出た(図3参照)。

図3:影響力が大きいAI研究論文の割合(2010~2023年、国・地域別)
単位は%。中国は2010年9.5、2011年10.3、2012年11.1、2013年12.7、2014年14.6、2015年16.2、2016年17.9、2017年20.1、2018年22.9、2019年25.7、2020年26.7、2021年28.9、2022年34.8、2023年38.0。EU27カ国は2010年27.7、2011年28.2、2012年28.3、2013年28.3、2014年28.3、2015年28.0、2016年27.3、2017年25.9、2018年24.4、2019年23.8、2020年23.4、2021年23.7、2022年22.2、2023年21.8。米国は、2010年30.2、2011年29.4、2012年28.4、2013年27.7、2014年26.9、2015年26.7、2016年25.9、2017年25.3、2018年24.3、2019年23.1、2020年22.1、2021年20.3、2022年17.9、2023年17.2インドは2010年2.3、2011年2.6、2012年2.9、2013年3.0、2014年3.5、2015年4.0、2016年4.5、2017年4.5、2018年5.0、2019年4.9、2020年5.8、2021年6.5、2022年7.0、2023年7.0 。

出所:OECD.AI (2024)データを基にジェトロ作成

テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術である「生成AI」の分野でも、商湯科技(センスタイム)の「日日新(Sense Nova)」、百度の「文心一言(ERNIE Bot)」、科大訊飛(アイフライテック)の「訊飛星火(IFLYTEK SPARK)」、ファーウェイの「盤古Chat」、アリババの「通義千問(Tongyi Qianwen)」など、各社が生成AIを開発。同分野の特許出願件数(主要発明者所在地別)でも、中国が突出する状況となっている(図4参照)。

図4:生成AI分野の特許出願件数の推移(主要発明者所在地別)
単位は件。中国は、2014年に278、2015年に373、2016年に525、2017年に872、2018年に1608、2019年に3245、2020年に 570、2021年に6675、2022年に8341、2023年に10591。 米国は、2014年に167、2015年に162、2016年に198、2017年に285、2018年に405、2019年に723、2020年に902、2021年に1107、2022年に1142、2023年に1185。韓国は、2014年に57、2015年に104、2016年に70、2017年に72、2018年に155、2019年に372、2020年に416、2021年に815、2022年に1037、2023年に1057。日本は、2014年に147、2015年に175、2016年に165、2017年に222、2018年に355、2019年に435、2020年に518、2021年に548、2022年に446、2023年に398。インドは、2014年に9、2015年に8、2016年に13、2017年に24、2018年に53、2019年に69、2020年に132、2021年に196、2022年に359、2023年に487。 その他は、2014年に172、2015年に144、2016年に158、2017年に213、2018年に265、2019年に434、2020年に680、2021年に830、2022年に966、2023年に961 。

出所:世界知的所有権機関(WIPO)「WIPO Patent Landscape Report on Generative AI」(2024年7月)を基にジェトロ作成

AI実装で変わるビジネス

中国における産業のDX化の急速な進行を支える要素の1つとして、国有企業の巨額投資により構築されるデジタル産業基盤の存在が指摘される。中国におけるDX化の現状に明るい、上海華鐘グループの古林将一副董事長は、「中国におけるデータセンター、5G(第5世代移動通信システム)および5.5Gの通信網、衛星事業などのデジタル産業基盤の構築状況は、すでに世界トップレベルだ」と語る。また、AIの社会実装を進める上では、巨大な人口が生み出す莫大(ばくだい)なデータ量も中国の強みだ。

では、AIの導入が進むことで、ビジネスにはどのような変化が生じているのだろうか。古林副董事長は、「従来のビジネスとは、製品・サービスのリリースのタイミングと、その後の新製品・サービス開発までの速さがまったく異なる。日本企業は認識を新たにしないと置いていかれる」と警鐘を鳴らす。従来のビジネスモデルでは、企業は仮説に基づき実証実験を行い、改善・改良を繰り返した後、安全性などを最終確認した後でリリースしてきた。これに対し、AIが実装されたビジネスでは、製品・サービスの要件定義・設計完了と同時にリリース。その後に(AIを駆使した)データ取得・分析を通じて改良・アップデートを施し、新製品・サービスの開発に反映していくといったように、ビジネスのサイクルに大きな変革が起きているという。また、デジタルツイン(注5)の活用が急速に進んでいることも、変革を大きく進めている背景として指摘される。

経営者の意思決定の速さなどに由来する中国ビジネスのスピードの速さは、従来から「チャイナ・スピード」と称されてきた。その「チャイナ・スピード」は、あらゆる産業でインターネットとつながり、生産・管理の省人化や効率化が進められてきた中で、加速化が進む。さらに今後は、日本や世界に先駆けてAIの実装が進み、データを基に意思決定がなされるデータドリブンの「超高速」ビジネスの展開も予想される。それは、多くの日本企業がまだ経験したことのない世界とも言え、従来のやり方で勝ち残っていくことは難しくなるだろう。

本稿では、前編と後編に分けて中国で起きている変化を捉えながら、日本企業のこれからの対中ビジネスの在り方について模索してきた。米中対立、地政学リスク、サプライチェーンの再考の必要性などが常態化する中、中国と関わるグローバルビジネスを展開する日本企業は、これまで以上に、中国はもとより、日本や欧米など各国・地域における輸出管理など経済安全保障に関する法制度をしっかり把握しておく必要がある。そのうえで、本社を中心にリスクコントロールを担う体制整備が求められている。

同時に、中国の急速な変化を把握し、常に自社の中国ビジネスの在り方を問うことの重要性も増している。「中国市場は巨大で捨てることはできない」「中国で踏ん張らなければ世界でのシェアも落ちる」といった声が多くの日本企業から聞かれる。中国のビジネスチャンスをより早く確実につかむために、意思決定や研究開発を現地で行うなどの体制整備が喫緊の課題だ。とりわけ、AI実装など中国が先行する分野では、「中国で、中国に学び、ビジネスを決める」体制の構築が必要になるだろう。中国企業との連携や、中国独自に発展するエコシステムの活用可能性を含めた具体策の検討はもちろん、自社の決裁システムなど意思決定に関わる社内コンプライアンスが、中国市場のスピードに対応できているのかの検討も求められている。


注1:
2024年1月31日に共産党中央政治局集団学習会で習国家主席が議長を務めた際の発言。
注2:
第14次5カ年(2021~2025年)規画の中では、「戦略的新興産業」として「次世代情報技術」「バイオテクノロジー」「新エネルギー」「新材料」「ハイエンド設備」「新エネルギー自動車」「グリーン・環境保護」「航空宇宙」「海洋設備」が挙げられている。なお、本文中の「低空経済」とは、空飛ぶクルマやドローンなどの手段を用いて、低空飛行による乗客・貨物輸送を事業化し、社会変革をもたらす活動を指す。
注3:
工業情報化部直属の科学研究機関である中国情報通信研究院が2024年8月に公表した「中国デジタル経済発展研究報告(2024年)(中国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に基づく。
注4:
本データは、米国の非営利団体OurResearchが提供するオープンな学術論文(学術雑誌論文、書籍、会議録、学位論文など)データベースのOpenAlexで入手可能なデータを基にOECDが整理したもの。出版物の影響度についてOECDは、被引用数を当該分野の平均被引用数で割って算出し、出版物が出版されてからの年数で割り引く。出版物のスコアが最も高い四分位群に入る場合、その出版物は「インパクトが高い」ものに分類される、と説明している。
注5:
仮想空間に現実空間の双子(ツイン)となる環境を再現し、製品や設備などに関するさまざまなシミュレーションを行う技術。これにより、製品や設備などの生産の最適化や業務効率の向上、開発期間やコストの削減などが見込まれる。
執筆者紹介
ジェトロ調査部中国北アジア課 課長代理
小林 伶(こばやし れい)
2010年、ジェトロ入構。海外調査部中国北アジア課、企画部企画課事業推進班(北東アジア)、ジェトロ名古屋などを経て2019年6月から現職。