勢い増すアジアのスタートアップ・エコシステム最前線5,000社のスタートアップ創業でデジタル高所得国を目指す(マレーシア)
2024年3月4日
マレーシア政府は2021年2月、デジタルエコノミーの成長を通じて高所得国家を目指す2030年までの10カ年計画「マイデジタル」を発表し、「今後5年間で5,000社のスタートアップの創業を支援する(5社のユニコーン企業の創出を含む)」を目標の1つに掲げた。マレーシアのスタートアップ企業数は2023年末時点で約300社と、道のりは険しい。政府系のベンチャーキャピタル(VC)による支援やテック関連企業に特化したインセンティブの整備など、政府主導で形成されたエコシステムをベースに、テコ入れが進んでいる。
本稿では、マレーシアのデジタルエコノミーと関連政策の現状を概観し、今後の方向性を考察する。
マレーシアのスタートアップ企業は約300社
Tech in Asiaによると、マレーシアのスタートアップ数は326社(2023年12月時点)で、ASEAN主要6カ国の中ではシンガポール(1,907社)、インドネシア(920社)、ベトナム(362社)に次いで、第4位となっている(注1)。また、2021年7月に、中古車販売プラットフォームを運営するカーサム(Carsome)がマレーシアで初めてのユニコーン企業となった(注2)。カーサムは2015年2月に設立し、2022年1月にはシリーズE(注3)ラウンドで2億9,000万ドルを調達、同年で評価額は17億ドルに達した(注4)。
しかし、マレーシアでは、2024年2月時点で、ユニコーン企業はカーサム1社のみであり、IPO(新規株式公開)によるエグジットを行ったスタートアップ数も限られているのが現状だ。マレーシアのスタートアップ・エコシステムにおける課題には、VC投資額の伸び悩みが挙げられる。2023年のVC調達額は1億1,300万ドルで、ASEAN主要6カ国の中で最も少額にとどまった(図参照)。また、マレーシアでは、2022年以降のシリーズC以降の資金調達件数がASEAN主要国と比較して少ない(注5)。大型の資金調達機会が乏しい点が、スタートアップの成長段階における課題と言えよう。

出所:dealroom
他方、M&Aによるエグジットが多いのがマレーシアのスタートアップシーンの特徴だ。米国のスタートアップデータベースのCrunchbaseによると、マレーシアにおいて2013年から2023年までに設立し、買収されたスタートアップ数は54社(注1)。スタートアップ総数に占める被買収企業の割合は2割弱で、シンガポール(1割程度)より高かった。主要なM&A事例では、インドのフィンテック企業のパインラブズ(Pine Labs)が2021年4月にクーポンアプリ運営のフェイブ(fave)を買収した案件(注6)などがある。
政府系ファンドによるアーリーステージ支援
マレーシアでは、政府が2021年に掲げた「今後5年間で5,000社のスタートアップの創業を支援する」ための実行計画として、科学技術・イノベーション省(MOSTI)が同年に「スタートアップ・エコシステムロードマップ(SUPER)2021~2030(2.28MB)」を発表した。同ロードマップに沿って、主にMOSTI傘下の政府系機関クレイドルファンド(Cradle Fund)がスタートアップ支援を担う。
マレーシア政府による金銭的な支援は、ファンド・オブ・ファンズ(間接出資)の形で行われている。メンタリングやアクセラレーションプログラムなどのソフト面の支援を含めて、クレイドルファンドをはじめとする政府系機関、VC、投資会社など、政府主導でエコシステムが形成されてきた点が特徴的だ。マレーシア証券取引委員会によると、マレーシアにおけるベンチャーキャピタルの資金源(2022年)は、企業投資家の22.7%に対し、政府系機関・投資会社が36.0%、ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)が27.3%と合わせて約6割が政府系の資金となっている。
特にアーリーステージのスタートアップに対する支援を行っている主な政府系機関およびその支援の概要は次の通り。
(1) クレイドルファンド(Cradle Fund)
クレイドルファンドは、2003年に財務省(MOF)傘下として設立。現在はMOSTI傘下となり、アーリーステージのスタートアップを対象とした、補助金、メンターシップ、アクセラレーションプログラムなどを提供するマレーシアの代表的な政府系スタートアップ支援機関の1つ。これまでに出資したスタートアップは1,000社を超える。2021年のSUPER発表を受け、マレーシアのスタートアップ・エコシステムのフォーカルポイントエージェンシーに任命されている。
2022年からはスタートアップ向けに、事業段階に応じた2種類の新たな補助金制度の運用を開始した。商品開発・プレ商業化フェーズ向けの「CIP SPARK」は最大15万リンギ(約465万円、1リンギ=約31円)、商業化フェーズ向けの「CIP SPRINT」は最大60万リンギが補助される(表1参照)。2024年2月時点で、「CIP SPARK」は20社(補助金対象企業はクレイドルファンド資料参照(7.09MB))、「CIP SPRINT」は15社(補助金対象企業はクレイドルファンド資料参照
(9.45MB))が補助金を獲得している(2024年2月21日閲覧)。
項目 | CIP SPARK | CIP SPRINT |
---|---|---|
内容 | 商品開発・プレ商業化フェーズ向け補助金 | 商業化フェーズ向け補助金 |
補助金額 | 最大15万リンギ | 最大60万リンギ |
補助期間 | 最長18カ月 | 最長18カ月 |
申請者 |
2人以上の個人または企業 (プレシード向け) |
企業のみ(個人の申請は不可) |
最低資本金 | 要件なし | 1万リンギ以上 |
知的財産(IP) | 申請する商品の知的財産権を有している。 | 申請する商品の知的財産権を有している。 |
その他の条件 (申請時) |
個人の場合
|
|
注:申請内容の詳細はクレイドルウェブサイトを参照。
出所:クレイドルファンド
VC部門としてクレイドル・シードベンチャーズという子会社を有し、2015年から開始したクレイドル・シードベンチャーファンド1号(CSVF1)では、マレーシアおよびシンガポールのスタートアップ10社に対して投資を行っている。
また、クレイドルファンドでは、スタートアップ向けの支援だけでなく、エンジェル投資家向けインセンティブ制度も所管する。民間投資家によるアーリーステージ投資の促進を目的とした制度で、テック関連と認定されたスタートアップへのエンジェル投資家(注7)の投資について、投資2年目から申請により最大50万リンギまでの投資額(最低投資額5,000リンギ)に対して所得税が免除される。本制度は2014年から開始されており、2026年末まで延長されている。
(2)マレーシア技術開発公社(MTDC)
マレーシアの政府系投資会社であるカザナ・ナショナルの100%子会社。スタートアップから新規株式公開前(Pre-IPO)段階までの幅広いテック系企業を対象に投資を行っている。これまでに850社以上のマレーシア企業への投資実績を持つ。
2024年2月現在で6つのファンドの運用(資金調達支援を含む)を行っている。アーリーステージ向けのファンドには、ビジネス・スタートアップ・ファンド(BSF)がある。基本的な申請条件は、マレーシアで会社設立をしている最低51%以上がマレーシア資本のテック系企業で、最大500万リンギまたはプロジェクト総コストの9割までが補助される。2011~2020年で41社が採択された。また、売上高が150万リンギを超え(赤字でないことが条件)、さらなる事業拡大を目指す企業を対象とした、最大1,000万リンギを補助するビジネス・グロース・ファンド(BGF)もある。また、MOSTIが主導し、製品やサービスの実証テストを行う企業への支援を行う国家技術・イノベーション・サンドボックス(NTIS)制度において、ファンディングパートナーを担っている。
商業化の準備ができている試作品を持つ企業を対象とした資金調達支援では、個人間で取引を行うピア・ツー・ピア(P2P)資金調達プラットフォームを運営するマイクロリープ(microLEAP)と連携したP2P融資プログラム、エクイティ・クラウドファンディングプラットフォームを運営するピッチイン(pitchIN)と連携したエクイティ・クラウドファンディング(ECF)プログラムを実施している。
(3)マブキャップ(MAVCAP)
マブキャップは、2001年に設立したマレーシア最大の政府系VC。MOFおよびMOSTI傘下の政府関連投資会社(GLIC)となっている。プレ成長段階を中心に地場のテック関連企業への出資と支援を目的としており、特にマレーシアにおけるVC活動の強化・促進が命題となっている。資金的な支援のみならず、地場VC人材の開発や民間企業や金融機関によるスタートアップへの投資の促進などの活動も行っている。
出資は、主にファンド・オブ・ファンズの形態で、ファンドの規模は20億リンギ以上。マレーシアで活動を行うVCに対して出資を行っているほか、スタートアップへの直接出資も行う。2024年2月時点で、VC8社、スタートアップ8社に出資している(表2参照)。出資先のVCは、500グローバル・サウスイーストアジアやゴビ・パートナーズのような様々な業種、ステージのスタートアップ支援を行うVCから、アーリーステージや特定分野に特化した小規模なVCまで多岐にわたる。
企業名 | 本社 | 概要 |
---|---|---|
500 Global, Southeast Asia | シンガポール | サンフランシスコに本社を置くマルチステージVC・500 Globalの東南アジア拠点。250社以上に出資。 |
Gobi Partners | マレーシア、香港 | アジアに15拠点を持つVC。アーリーステージからグロースステージまで幅広く出資。350社以上に出資。 |
Orbit Malaysia Fund | マレーシア | マレーシア大手複合企業Sunway group、ジャカルタのKejora CapitalによるシリーズAファンド。 |
Intres Capital Partners | マレーシア | マレーシア通信大手Axiataなどが出資するAxiata Digital Innovation Fund(ADIF)を運用。 |
Vynn Capital | マレーシア | 旅行、不動産、消費者ビジネス、ロジスティクス、女性経済などに注力するVC。 |
Ficus Capital | マレーシア | ESG(環境・社会・ガバナンス)とイスラム法に焦点を当てたVCマネジメント企業。 |
Asia Greentech Fund | マレーシア、香港 | グリーンエネルギーおよび技術に投資するVC。 |
LuneX Ventures | シンガポール | シンガポールのVCのGolden Gate Venturesのスピンアウト企業で、ブロックチェーンと仮想通貨に特化。 |
出所:MAVCAP、各社ウェブサイト
また、このほかにも、MOSTI傘下の政府系アクセラレーターとして、マレーシア技術革新アクセラレーター(MRANTI)が第4次産業革命に対応したインフラを備えたイノベーション施設(MRANTIパーク)を運営しており、スタートアップの商業化を支援している。2023年11月には、国内最大規模の自動運転試験施設をクアラルンプールに開設(2023年11月16日付ビジネス短信参照)した。自動運転のほかにも、ヘルステック、ドローンテック、バイオサイエンステックなどの技術プロジェクトを実施している。
テック系企業向けインセンティブを一新
マレーシアでは2024年2月現在、スタートアップ支援に特化したインセンティブは存在しないが、デジタル産業育成を目的としたテック系企業全般向けのインセンティブとして、「マレーシアデジタル(MD)ステータス」がある。元は1996年に「マレーシア・スーパー・コリドー(MSC)ステータス」として誕生したインセンティブで、政府が定めるデジタル活動に従事するテック系企業のうち、所定の条件を満たすと取得できる。2022年7月に、MSCステータスからMDステータスへと一新した。デジタル産業促進を担う政府系機関で、MDステータスを管轄するマレーシアデジタル開発公社(MDEC)の担当者によると(注8)、MSCステータス時代に取得した企業も合わせ、「MDステータス取得企業は約4,000社にのぼり、うち外国企業は3~4割を占める」という(注9)。
MSCステータスとMDステータスとの大きな違いは、税制優遇措置の付与が前提となっているかどうかにある。MDEC担当者によると、「MSCステータスは税制優遇措置の付与が前提となっていたが、取得企業の中には必ずしも税制優遇措置が必要ではなく、雇用パス取得のワンストップサービスなどのソフトサポートのみを求める企業もいた」という。MDステータスでは取得条件が緩和され、インセンティブはMDビル・オブ・ギャランティーズ(BoGs)として付与される(表3、参考参照)。税制優遇措置は、必要かつ条件を満たしたMDステータス取得企業のみが申請するという形式だ。
表3:MDステータスの取得条件
項目 | 条件 |
---|---|
法人設立 | マレーシアで法人設立を行っている企業であること。 |
事業内容 | 「マレーシアデジタルアクティビティ」に該当する技術・分野に関連する活動を1つ以上行うこと(注) |
項目 | 条件 |
---|---|
事業活動 | 「マレーシアデジタルアクティビティ」に該当する技術・分野に関連する活動において操業を開始すること。 |
最低資本金 | 最低資本金1,000リンギ以上。 |
知的労働者 | 月給平均5,000リンギ以上の2人以上を常時雇用すること(知識労働者を含む)。 |
事業経費 | 「マレーシアデジタルアクティビティ」に該当する活動のために発生する事業経費が年間最低50,000リンギ以上となること。 |
注:「マレーシアデジタルアクティビティ」は、出所ガイドライン付属書1に記載される20の技術または活動。ビッグデータ、AI(人工知能)、フィンテック、ブロックチェーンなどが該当。
出所:MDEC「MDステータスガイドライン(175KB)」(2022年6月)
参考:MDステータスにより付与されるビル・オブ・ギャランティーズ(BoG)
- 1.外国人知識労働者の割り当て(クオータ)、雇用パス
- 税制上の優遇措置(所得税免除または投資税額控除)
- マルチメディア/ICT機器の輸入関税、売上税免除
- 競争力のある整備されたインフラの利用
(MDサイバーシティ/サイバーセンター入居企業向け) - ローカルオーナーシップ要件の免除によるオーナーシップの自由
- グローバルな資金調達、借り入れに対する柔軟性
- MDECがMDステータス企業のためのワンストップ機関となる
注:BoGの詳しい説明は、MDEC「MDステータス・ビル・オブ・ギャランティーズ説明用注記(212KB)」(2022年7月)を参照。
出所:表3に同じ
MDECによると、「少人数・小規模での操業が多いテック関連企業の実態に合わせ、柔軟な制度設計とした」という。MSCステータスの取得条件と比較すると、知識労働者の雇用人数、最低資本金要件、年間の事業経費額などが大幅に緩和された(注10)。
MDECは2023年1月に、MDステータス取得企業向けの新たな税制優遇措置として、MD税制優遇措置[Malaysia Digital(MD)Tax Incentive]の導入を発表(注11)。2023年6月には、2023年中に最終決定される見通しとして、条件を満たしたMDステータス取得企業は、適格な知的財産権所得および非知的財産権所得に対して、最長10年間の軽減税率または5年間の投資税額控除を受けることができると発表した(注12)。ただし、2024年2月現在で、最終的な発表はなされていない。
このほか、政府系機関やファンドが提供する補助金やインセンティブを利用する際は、本来は地場資本の要件がある場合でも、MD BoGsにより地場資本要件が免除され、外国企業であってもそれぞれの条件を満たせば申請が可能になる。
MDECでは、テック系企業のスタートアップ誘致促進のため、外国人への雇用パス発給プログラムとして、「マレーシアテック起業家プログラム(MTEP)」も運用している。MTEPでは、(1)新規起業家向けに1年間のプロフェッショナル・ビジット・パス、(2)マレーシアで2年以上のビジネスを行うテック起業家向けに5年間のレジデンス・パスを発給する。条件を満たせば、(1)は1年間、(2)は5年間の延長が可能となる(表4参照)。
項目 | 新規起業家向け | 起業済みの起業家向け |
---|---|---|
前提条件 | デジタル分野におけるイノベーティブなビジネスアイディアを持っている。 | デジタル分野におけるイノベーティブなビジネスアイディアを持っている。 |
発給される雇用パスの種類 |
1年間のプロフェッショナル・ビジット・パス (さらに1年間の延長可能) |
5年間のレジデンス・パス (さらに5年間の延長可能) |
対象者 | マレーシア非居住者の個人で、創業実績のない創業者または共同創業者 | マレーシア非居住者の個人で、事業実績を有する創業者または共同創業者(設立3年以上、直近2年間の財務記録があること) |
保証人 | MDECが認定するマレーシア・デジタル・ハブのいずれかまたはマレーシア技術革新研究促進機関(MRANTI)(注) | 21歳以上のマレーシア人個人 |
会社設立 | MDECが認定するマレーシア・デジタル・ハブのいずれかまたはマレーシア技術革新研究促進機関(MRANTI)に入居 | マレーシア国内において会社設立 |
家族の帯同 | 不可 | 配偶者、18歳以下の子供などの近親者については家族用のディペンデントパスを発給可 |
注:マレーシア・デジタル・ハブは、MDECが認定したコワーキングスペース。マレーシア国内に10社23拠点(2024年2月21日閲覧時点)。MRANTIはMOSTI傘下の政府系アクセラレーター。
出所:MDEC
民間資本の流入が今後の成長の鍵
マレーシア政府はSUPERを発表して以降、スタートアップ・エコシステム強化のための国家予算を増やしている。直近では、2023年9月に発表した「新産業マスタープラン(NIMP)2030」において、2030年までに最大950億リンギの投資を目標としている(2023年9月7日付ビジネス短信参照)。翌10月に発表した2024年予算案において、目標総投資額の最大10%をNIMPの使命を加速させる活動に割り当てるとし、その中の1つにスタートアップの国際化を挙げた。2030年までにグローバルスタートアップ・エコシステムで上位20位にランクインすることを目標とし、クレイドルファンドやマブキャップを含むファンドやVCに対して2億リンギの資金拠出などを行うとしている。NIMPの目標総投資額のうち、政府は82億リンギを充当し、残りは民間から調達する方針となっている。
SUPERでは、マレーシアのスタートアップ・エコシステムの現状課題の1つに「民間主導によるファンドの不足」が挙げている。政府は、「政府系VCによる支援は良いことだが、彼らは間接的な投資家ではなく株主の役割を担う傾向がある」と指摘している。政府系VCへの直接的な資金流入による民間のVCや資金提供者との直接的な競合を避け、税制優遇措置やマッチング・グラントなどのプル型のサービスを提供することで民間投資家を引き付ける努力をすべきとも提言している。
米国調査会社のスタートアップ・ゲノムが発表した2023年のグローバルスタートアップ・エコシステムランキングでは、首都クアラルンプールは「新興エコシステムランキング」の21~30位に位置し、同ランキング15位のジャカルタを追いかける(注13)。政府系機関やVCが牽引し成長してきたマレーシアのスタートアップ・エコシステムは、官民両輪で強化していくフェーズに入ろうとしている。
- 注1:
-
ジェトロ「大学等を中心としたマレーシアのスタートアップ・エコシステムと活躍する若手起業家
(5.39MB)」(2024年1月)。
- 注2:
-
CBインサイツ「ユニコーン企業リスト」
(2024年2月16日閲覧)。
- 注3:
- 一般的に、安定的な収益を出せるようになった段階での資金調達。
- 注4:
- Carsomeウェブサイト(2024年2月16日閲覧)。
- 注5:
- 米国のスタートアップデータベースのCrunchbaseによると、2013年以降のマレーシアにおけるシリーズC以降の資金調達件数は11件(シリーズ不明の案件を除く)。シンガポールでは196件、インドネシアでは80件、ベトナムでは19件とASEAN主要国の中でも少ない(2024年2月16日閲覧)。
- 注6:
- パインラブズプレスリリース(2021年4月13日付)。
- 注7:
-
エンジェル投資家の条件は、マレーシアの税法上の居住者であること、個人で18万リンギまたは配偶者と合算で25万リンギの所得があること、個人の総資産が300万リンギ以上あること、マレーシア・ビジネス・エンジェル・ネットワーク(MBAN)のメンバーであり、公認されたエンジェル投資家であること、専門知識または5年以上のマネジメント経験を持つこと、加えてエンジェル投資家団体のメンバーであることが望ましい(出所:クレイドルファンド
)。
- 注8:
- インタビュー日:2023年12月20日。
- 注9:
-
MSCステータスからMDステータスへの移行については、MDEC発行のガイドライン「Guidelines on Transition of MSC Malaysia To Malaysia Digital
(169KB)」(2022年12月29日更新)を参照。
- 注10:
- MSCステータスの取得条件については、2019年6月3日付ビジネス短信添付資料参照。
- 注11:
-
MDEC通達(2023年1月11日)
(34KB)
- 注12:
-
MDEC通達(2023年6月28日)
(115KB)
- 注13:
- その他のASEAN主要都市のランキングは、シンガポールが「グローバルエコシステムランキング」の8位。「新興エコシステムランキング」において、ホーチミンが81~90位、マニラが91~100位。なお、「新興エコシステムランキング」では、21位以降は21~30位、31~40位のように、10位ごとの順位付けとなっている。

- 執筆者紹介
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ジェトロ調査部国際経済課 課長代理
田中 麻理(たなか まり) - 2010年、ジェトロ入構。海外市場開拓部海外市場開拓課/生活文化産業部生活文化産業企画課/生活文化・サービス産業部生活文化産業企画課(当時)、ジェトロ・ダッカ事務所(実務研修生)、海外調査部アジア大洋州課、ジェトロ・クアラルンプール事務所を経て、2021年10月から現職。