特集エネルギー安全保障の強化に挑む欧州
新型コロナウイルス禍からの経済活動再開に伴うガス需要増により、2021年秋以降、エネルギー価格が世界的に高騰している。2022年2月には、欧州諸国の多くが輸入元として依存してきた化石燃料大国ロシアがウクライナを侵攻。ロシアからの化石燃料輸入禁止措置により、エネルギー輸入国は二重苦にあえいでいる。本特集では、自給率の向上や、輸入先・エネルギー源の多様化などの喫緊課題に直面する欧州諸国による短期的な対処、ならびにEUと英国が掲げる2050年までの気候中立などの目標の達成に向けた長期的戦略へのエネルギー危機の影響を分析する。
2023年4月17日
この特集の記事
- 欧州のグリーン政策推進の命運握るエネルギー危機(総論)
- 気候変動対策から安全保障への転換(1)EUエネルギー政策と欧州グリーン・ディール
- 気候変動対策から安全保障への転換(2)EUエネルギー政策の最新動向
- 気候変動対策から安全保障への転換(3)ロシア産化石燃料依存からの脱却へ
- 気候変動対策から安全保障への転換(4)「リパワーEU」計画を読み解く
- 長期的なエネルギー安全保障に向けEDFを国有化し原発建設を推進(フランス)
- 再エネ活用で気候中立を目指す、アントワープ・ブリュージュ港を水素拠点へ(ベルギー)
- 再エネ投資などエネルギー多角化に取り組む(エストニア)
- ロシア産エネルギーからの独立と脱炭素化に取り組む(ポーランド)
- 天然ガスなどロシア産エネルギーへの依存低減が喫緊の課題(ドイツ)
- エネルギー価格高騰に再エネ推進と供給元多角化で挑む政府(イタリア)
- エネルギー危機、政府の手腕はいかに(1)長引く価格高騰の現状(英国)
- エネルギー危機、政府の手腕はいかに(2)多様な国産エネルギー源強化へ(英国)
- ロシアへの天然ガス依存からの脱却を急ぐオーストリア
- エネルギー価格高騰、政府は世帯・企業向け支援を投入(チェコ)
- 原油・ガスの輸入先多様化、原子力・再エネ利用拡大が課題(チェコ)
- 再エネ転換や脱原発を推進、今冬へ水力蓄電やガス備蓄強化(スイス)
- エネ危機政策を探る(1)石炭火力上限を撤廃し原発を新設(オランダ)
- エネ危機政策を探る(2)洋上風力と水素を重視(オランダ)
- エネ危機政策を探る(3)再エネ、水素で大規模案件続出(オランダ)