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日本産食材サポーター店インタビュー Terra & Bar Terra

ナパバレーの食のシーンを牽引し続ける
高級レストランのパイオニア

所在地:サンフランシスコ(米国)

ナパバレーの高級レストランのパイオニア

カリフォルニアワインの銘醸地ナパバレーの真ん中に位置する、セント・ヘレナ市 (St. Helena) という可愛らしい街に、重厚な石造りの大きな一軒家がある。そこにTerra(テラ)とBar Terra(バー・テラ)がある。

1988年、若い日本人シェフとアメリカ人のペイストリーシェフの夫婦2人が始めたレストラン。当時のナパバレーは高級ワインの産地としてようやく認知され始めたばかりで、高級レストランはほとんどなかった。Terraはナパバレーの高級レストランのパイオニアであり、カリフォルニアで「Terraのヒロ」と言えば、泣く子も黙るレストラン界の重鎮だ。

「パーソナル・キュイジーヌ」

テラの料理は独創的だ。パーソナル・キュイジーヌが最近日本でも流行っているが、要はフレンチや中華といった料理の枠にとらわれず、シェフの感性で生み出される料理のこと。「シェフがどこで生まれ、育ち、何を経験したかが料理に反映される。僕が日本で修行したのはフレンチとイタリアンのレストラン。だから僕の料理のベースはその2つ。でも日本人なので、日本というアクセントが食材や味付けや調理法に垣間見える料理、それが僕のパーソナル・キュイジーヌです。そのスタイルは創業当時から変わっていません」。日本にいた頃は、レシピを忠実に「再現」するのが、正しい料理だと思っていた。それが、1984年、ロサンゼルスのスパーゴ(Spago)というレストランで、ウルフギャング・パック(Wolfgang Puck)という著名なシェフの下で働くようになり、彼が次々に生み出す独創的な料理を目の当たりにし、 天地がひっくり返るような衝撃を受けたという。「 自分が解き放たれた感じがしました。それからはヒロ・曽根のパーソナル・キュイジーヌに邁進です。」

Terraの料理には日本 があちこちに散りばめられている。それは食材であったり、調理法であったり、盛り付けであったりするが、決して「和食」ではない。あくまでベースはフレンチやイタリアンでありながら、和食の懐石料理のコースに紛れ込んでも違和感がない。例えば、前菜として人気のマグロのクルード(Tuna Crudo)はマグロの刺身に日本産の柚子ジュースを加えたソースをかけたもの。添え物はキュウリとカブの酢の物を思わせるサラダだ。このまま「変わり刺身」として和食レストランで出されても違和感はないが、決して日本が主張し過ぎていない。「あくまで日本はアクセント。でもそのアクセントがあるおかげで味の幅が広がり、またメニューの幅が広がる。それをお客さんが面白がってくれるのかな。」

日本産の食材を使うメリット

使う食材の選定は曽根氏自ら行う。「僕の場合は、産地がどこのものであれ最高品質のものを使いたいので、品質に妥協をしてまで産地にこだわりませんが、結果的に品質が一番自分の求めているものに合致するので日本産の食材を使うことも多いですね。例えば人気メニューの一つに北海道産ホタテのグリルと蝦夷アワビのエリンギ添え(Grilled Hokkaido Scallop, Ezo Abalone, Escargot Butter, King Trumpets)がありますがホタテはアメリカ産のものを含め色々試した結果、北海道産のものが一番自分が求めているものに近かった。 ただ、アワビはハワイ産で、これも色々な産地のものを厳しく検討した結果です。」 日本産の食材を使う一番のメリットはメニューに幅ができることだと言う。「例えば、こちらでディップとして人気のあるフムスは中東の料理で豆を擂り潰したもの。これに日本の味噌をちょっと加えると、旨味が補われ美味しさが増します。両方とも原料は豆ですから、違和感がない。味噌を加えていることは見えないけれど、でも確実に美味しくなり、またユニークになる。柚子しかり、山椒しかり、塩麹しかり。日本にいるより、こちらにいると、日本の食材の使い方の新しいアイディアがどんどん湧き出て来て楽しいですね。」

オープン当時から看板メニューになっているのが銀ダラの酒マリネと海老のラビオリ紫蘇風味出汁がけ (Sake Marinated Black Cod, Shrimp Dumpling, Shiso Broth)だ。「日本なら酒粕を使うところなのでしょうが、僕は代わりに日本酒、みりんと醤油を合わせたタレにマリネしています。多い時にはお客さんの2人に1人がオーダーする人気メニューです。」 隣接するバー・テラの人気メニューは舞茸の天ぷらやラーメン。毎週月曜の夕方、ラーメンを食べに来る7人の男性仲良しグループがいるそうで、カウンターに一列に座って思い思いにワインや日本酒を楽しみながら、みんなで楽しくラーメンを啜っているそうだ。

食材や料理の裏にあるストーリーがお客さんに興味を抱かせる

テラに来るお客さんのほぼ9割が非日本人だ。世界各国からの観光客の他に ワイナリー関係者も多い。特にワイナリーのオーナーやワインメーカー達は海外出張が多く、世界中の美味しいものを知っている食通ばかり。そういうレベルの高い人たちにいかに喜んでもらうか。ありきたりのものでは興味を持ってもらえない。「ストーリーが大切です。例えば日本酒。しばらく前まで宮城県の日本酒を置いていました。それだけでもシェフの生まれ故郷の酒ということで興味を持ってもらえましたが(曽根氏は宮城県栗原市出身)、栗駒山という銘柄の、通常の酒米で作ったものとヒトメボレで作ったものの2種類を置いて、その2つの違いを説明しながら飲み比べてもらいました。とても興味を持ってもらえましたよ。」曽根氏が自ら積極的にお客さんのテーブルを周り、その料理や食材に裏にある面白いストーリーを伝え、情報を 提供し、顧客のエデュケーター(教育者)になっているが、ここで働くスタッフ全員が曽根氏と同じようにテラの料理のアンバサダー、食材のエデュケーターになれるように、スタッフトレーニングは欠かせない。。

小さい生産者が作り、特徴やこだわりのある、現地で手に入らない食材

「日本産食材については、こだわりのある、おもしろいものを積極的に取り扱っていきたい。特に小さい生産者がこだわりを持って作っていて、まだ輸入されていないものがあれば是非試してみたいです。あとは、農薬等を使っていない安全なもの。こちらの人はとても敏感です。」

日本の食材は現在、アメリカのシェフの間でもかなり関心が高くなって来ている。「シェフの中には、出汁を自分の料理に取り入れたり、昆布を使って旨味を補ったりしている人も増えています。これからますます日本食材への需要は和食の枠を超えて増えていくでしょうね。」

Terra(テラ)& Bar Terra(バー・テラ)
1345 Railroad Ave., St. Helena, CA 94574
+1 707 963 8931
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