海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー TATA SUSHI

どんなシーンでもこだわりのおもてなしを提供する
洗練された雰囲気の和食レストラン

所在地:サンパウロ(ブラジル)

ビジネス街の人気スポット和食レストラン

2016年にオープンした「TATA SUSHI」はブラジル・サンパウロ市の高級オフィスビルが建ち並ぶイタイン・ビビ地区に位置する和食レストラン。90名収容できる中規模のレストランだが、従業員数はなんと70名。「65名はレストランの厨房、ホール、バー、掃除のスタッフで、事務職員は5名」と説明するのはオーナーのルイジーニョ・ヒラタ氏(日系三世)。ヒラタ氏はオーナー兼寿司職人でありながら、ブラジル・レストラン・バー協会(Abrasel)とブラジル和食協会(ABGJ)の理事も務めるプロフェッショナルで、常に業界の未来に向けた活動に身を置いている。「TATA SUSHI」のコンセプトは、コンテンポラリーな和食を多くのブラジル人に楽しんでもらおうと価格にも努力を惜しまず提供することだそうだ。「店の客層は、ランチとディナーで随分変わる。ランチタイムは近辺のオフィスのサラリーマン、夜はデートコースに利用するカップルが多い」とヒラタ氏は語る。また「TATA SUSHI」以外にサンパウロ市内の会員制高級スポーツクラブ内の和食レストラン「カメ・カミ」も経営している。

閑静な雰囲気の中で味わう和食を

来客する年齢層の多くは30才~50才で、店の自慢の寿司・刺身のセットが最も注文される。「新鮮なネタを手頃な価格で楽しんでもらいたい」というのがヒラタ氏の願いでもある。また、日本酒に関しては、ヒラタ氏もあらゆる情報を収集して、顧客のテイストに合うものを勧めるという。「近年はブラジル人もビジネスなどで日本に旅行するようになり、日本酒の知識が高まってきているため、輸入業者にはもっと多くの銘柄を輸入してもらいたい」と、自身も日本の蔵元へ訪問、買い付けなどを行い、生産者の思いをブラジル現地で伝える活動も実施している。料理の内容については「地道にブラジル人の好みに合わせた日本料理を提供するのが目的」と、ヒラタ氏は強調する。店内は洗練されたデザインで閑静な佇まいであり、「ランチに来る客は忙しいビジネスマンが多いので、食事時だけでもゆったりした気分を味わってもらいたい」というのが店主の狙いだ。市内においての癒しスポットの一軒であり、こだわりの品質と環境、そしてお客様目線で最大級のおもてなしを心掛けていることが伺えた。

日本産食材へのこだわり

店で最も使用する日本産食材・飲料は日本酒、醤油、酢(シャリ用)、鰹節・昆布(出汁用)、ごま油だそうだ。輸入によりどうしても高価になる日本産食材だが、それでも「日本産食材のメリットは伝統を守り続けて生産されており、安心して使えるし、顧客からの信頼度も高まる」と、ヒラタ氏はこれからもこのこだわりは保ちたいと力説する。今後、もっと輸入してほしい食材は日本各地の海苔とのこと。ブラジル人が好んで食べる手巻き寿司に、より魅力を加えたい考えだ。加えて日本からの輸入が止まってしまった日本産ウナギ、イクラにも関心があり、輸入されることを強く希望している。日本産食品・食材へのこだわりは強い一方、品物を手に入れる困難も多々ありそうだ。「安定した輸入の継続が保証されないのが問題」と、ヒラタ氏は指摘した。

店の広報は口コミが一番

店の宣伝方法は、主にインスタグラムと口コミである。インスタグラムでは、テレビ番組「マスターシェフ・天才料理人バトル!」で優勝したミリオン・インフルエンサーのレオ・ヤング氏を「TATA SUSHI」のパートナーとして受け入れ、広報効果を上げている。口コミは信憑性が高まり、またリピーターの増加にもつながるとヒラタ氏は分析している。店の名前の由来は「自分は亀が大好きなんです。亀は長寿の象徴として知られており、縁起物。ポルトガル語ではタルタルーガといい、そこから名付けてタタにした」と説明する。もう一軒の店は「カメ・カミ」なので、納得する。ジェトロ・サンパウロとのタイアップ事業にも積極的に参加するヒラタ氏は、「この一年で日本酒・泡盛の試飲会、和牛の試食会を店で開催したが、こういった取組みで日本産食材がブラジルの一般家庭でも消費されるようになれば、輸入業者に刺激となり、食材がもっと豊富に入るはず」と、日本産食材の普及に期待をしている。

Tatá Sushi
Rua João Cachoeira, 278 Itaim Bibi São Paulo SP
Tel: +55 11 3078 2006 | +55 11 98835 2819
https://tatasushi.com.br/ 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
https://www.instagram.com/tatasushi/ 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます