海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー 黒牛(KOKUGYU)・チャンクアンカイ通り店

近年富裕層に人気の和牛を日本風焼肉で提供する、
日本食材卸売企業直営レストラン。

所在地:ホーチミン(ベトナム)

日本食材店が手がける日本風本格焼肉

高層ビルの最上階、眼下にホーチミン市の街並みが広がる展望焼肉レストランがある。エントランスで雄々しい牛のオブジェが出迎えてくれるここ「黒牛」は、ホーチミン市を拠点とする日本食材の輸入卸売企業「アクルヒ・グループ」の直営店だ。同グループはホテルやレストランなどベトナム全土に約1500軒の顧客を持ち、現地日本料理店を陰から支える存在。その他、小売店の「アクルヒ・スーパー」や寿司・刺身が自慢の日本料理店「スシ・ワールド」、そしてこの「黒牛」も営んでいる。
「弊社では定期的に日本から多くの食材を輸入しています。そこで、かねてからベトナムの人々にも、もっと日本の味に親しんでもらいたいと思っていました。特に近年は富裕層を中心に和牛の人気が高く、お客様から気軽に和牛を食べられる店が欲しいとの要望をうけて、黒牛をオープンしました」と、グループCEOのグエン・トゥ・ユイ氏は話す。

日本産食材本来の味で人々の舌を魅了する

焼肉といっても国により様々なスタイルがあるが、黒牛が提供するのは純粋な日本風焼肉。メニューとしては和牛のほかUSビーフなども取り扱っているが、いち押しはやはり日本産和牛だという。
「2005年頃から和牛の輸入を始めましたが、中でも日本産和牛のブランド力には目を見張るものがあります。そのため、価格は決して安くはありませんが、ワンランク上の食事として、お客様からもとても良い評価をいただいています」。
メニューはどれもユイ氏やスタッフが定期的に味見を行い、納得できた品だけが店頭に並ぶ。人気はステーキと見紛うばかりに肉厚にカットされたサーロインやテンダーロイン、そして様々な部位をまとめた和牛セットなど。しゃぶしゃぶやすき焼きなどの鍋料理や海鮮バーベキュー、鱈の白子と蟹を合わせた白子蟹汁もある。すき焼きはベトナム人にとって甘すぎるため、甘味を10〜20%ほど抑えるなどしているが、どの料理も基本的な味付けや調理法にベトナム風の特別なアレンジは加えていない。日本産食材自体の味が良いため、シンプルに素材を楽しむ料理では、味を変える必要がないからだ。

信頼できる食材を使用することは店の責任

こだわりは肉類だけではない。輸入食材店の系列である強みを活かし、醤油や塩、鰹節からゴマなど、焼肉のタレの素材となる調味料も、ふんだんに日本産を使用している。メインの食材だけでなく、ベトナムで類似した代替品が手に入る調味料ですら日本産を使うのは、味の良さは当然のこと、「他国のものと比べ、日本産食材は品質的にも衛生的にも非常にレベルが高い。私達はレストランとして安全な料理をご提供する責任があります。その点でも自信を持って使用できる日本産食材の安心感はとても重要なのです」とユイ氏は語る。
その他、同店では酒類も豊富に取り揃える。たとえば日本酒で約15種、焼酎で約10種。ワインやウイスキーなどもあるが、ベトナムの人々にとって日本酒は日本を代表する酒というイメージがあるため、焼肉に日本酒を合わせて楽しむことも多いという。

和牛や日本料理の良さをベトナムに届けたい

お昼時になると、黒牛には近隣の企業に務める人々が、男女問わずランチに訪れる。一方、夜は家族でのパーティーやビジネス会食などに利用されることが多い。来店客はベトナム人が大半だが、誰もが日本食に興味を持ち、楽しみにしている人ばかり。そうした意味でも日本産食材サポーター店認定制度は、食材の品質や安全面だけでなく、日本との深い繫がりを示すPRの一環として有用だという。
「和牛は日本食材のシンボル的な存在。現在はサーロインやもも肉などが中心ですが、牛肉にはタンやモツなど、他にも美味しい部位が沢山あるので、それらの料理も提案できればと思っています。日本食は私自身にとっても美味しい料理。だからこそ、今後も高品質の日本食材を使い、多くのお客様に満足いただけるメニューをご提供していきたいと思っています」。
(2021年取材)

黒牛(KOKUGYU)・チャンクアンカイ通り店
14th Floor, Akuruhi Tower, 124 Tran Quang Khai Street, Ben Nghe Ward, District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
028-3822-0898
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