日本産食材サポーター店インタビュー 北大路バンコク

接待に使える高級料亭
実力と話題性を兼ね備えた日本食材を厳選

所在地:バンコク(タイ)

黒毛和牛と蟹の会席コースが人気

数寄屋造りの門の向こうに静かに佇む一軒家の料亭「北大路バンコク」は、東京の都心に11店の料亭を構える創業80年の老舗・北大路がシンハービール(ブンロート・ブリュワリー社)と手を組み、2015年8月に開いた高級会席料理店だ。

コンセプトは、黒毛和牛と蟹をメインにした本格会席料理。グランドメニューは2,500バーツから4,500バーツまで、500バーツ刻みで設定された会席料理5種類。全体の約45%を占める日本人客からの注文は、3,000バーツの「黒毛和牛のすき焼き陶板会席」か3,500バーツの「毛蟹会席」に集中し、もっとも高い4,500バーツの「タラバの蟹炭火焼き会席」を選ぶのはほぼタイ人客だという。「日本人のお客様は99%が接待での利用のため、予算の関係で日本円で1万円以内におさまる料理を注文されます。タイ人のお客様はほとんどがファミリーかカップルでの来店。アラカルトの注文も多いです」と料理長の村上岳志(むらかみたけし)氏。

ほぼすべてのメニューに日本産食材を活用

月変わりのシーズンメニューは、刺し身の盛り合わせ、ズワイ蟹のしゃぶしゃぶなど5~8種類。グランドメニュー、シーズンメニューともほぼすべてに日本産食材が活用されており、調味料も日本産。日本産の酒類は、日本酒が13種類、梅酒・柚子酒が6種類、焼酎が6種類、ウイスキーが3種類揃う。タイ人は食事時にあまりお酒を飲まないが、日本人には宮崎産の「黒霧島」(霧島酒造)などの焼酎の人気が高い。

料理、酒類ともに共通するのが、味はもちろん、インパクトのある外見やその食材のストーリーへの徹底したこだわりだ。ウニであれば、天然の昆布だけをエサにして育ち、その濃厚な甘みで定評のある岩手県洋野町のキタムラサキウニをタイで初めて提供した。このほかにも、賞味期限の短い京野菜、日本でも手に入りづらいという京都牛、6Lサイズの北海道のタラバ蟹など、他店ではほとんど見られないような希少な食材を積極的に仕入れている。その食材がなぜおいしいのか、どれほどこだわって生産されているのかをメニュー表や口頭でお客さんに説明しているという。酒類についても同様だ。来日したオバマ大統領が寿司店で安倍首相と食事をしたときに提供された広島の「賀茂鶴ゴールド 大吟醸」(賀茂鶴醸造)、ノーベル賞授賞式でふるまわれた兵庫の銘酒「福寿 純米吟醸」(酒心館)など、話題性のあるアイテムを厳選。ストーリー性とブランド力を兼ね備えた日本産食材の豊富さは集客の鍵。「北大路バンコク」の真骨頂だ。

自治体と協力して日本産食材フェアを開催

日本産食材の仕入れは、日本の本社(大東企業)の仕入れ部が品物を選定している。マグロであれば、高級食材専門の築地の仲卸・吉富に注文を入れ、日本で目合わせ(グレードチェック)を行った上で国内の流通業者からタイに送り、タイのインポーターが店舗に配送している。「北大路バンコク」もインポーターライセンスを持っているため、自治体と手を組んだイベント開催時や一部の特別な商材については独自に輸入することもある。自治体と連携したイベントは年に4~5回実施。最近では、「山梨フェスティバル」で甲州和牛やシャインマスカット、ピオーネなどを提供し好評を得た。芸能人や財界の要人などタイのインフルエンサーたちを多数顧客に持つ「北大路バンコク」の影響力を見て、声をかけてくる自治体も多いそうだ。「地方には良い食材が埋もれています。当店がアンテナショップ的な役割を果たし、良い食材を掘り起こしてブランド化に貢献していきたいですね」。バンコクでの2号店の計画も進んでいる。コンセプトは寿司割烹。お客さんの前で鱧落としを実演したり、銅鍋で天ぷらを揚げるなどエンターテイメント性を高め、日本酒やワインの拡販にも挑む。日本産食材の新たな魅力に触れる場所になりそうだ。

北大路バンコク
212 Soi Thonglor 8, Sukhmvit 55 Rd., Watana, Bangkok
(+66)061-387-3207
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