日本産食材サポーター店インタビュー きさら

厳選した食材でVIPの期待に応える
高級日本食レストラン

所在地:バンコク(タイ)

各国のグルメたちをもてなす“本物”の味

バンコク都心部、各国の大使館が集まり多文化が共存するワイヤレス通り。さまざまな国籍の人々が交差するこの一帯には、高級ホテルがずらり居並ぶ。ヒルトンホテルの最高峰ブランドとしてその名を知られる「コンラッド バンコク」内にある、日本食レストラン「きさら」もその一つ。日本の伝統美を極めた内装は、重厚で圧巻。吟味しつくされた食材の数々が五感で楽しめると、国内外のセレブからの信頼も厚い。

指揮をとるのは料理長の進藤顕司(しんどうけんじ)氏。ホテルニューオータニ、ディズニーアンバサダーホテルを経て、スペイン、台湾でそれぞれ五つ星ホテルに勤務。タイの五つ星ホテルでの経験も通算10年になる、国際派ベテランシェフだ。「VIPのお客様にも納得していただける“本物の日本料理”を提供することでホテルの格を保ち、次もまた宿泊したいというモチベーションに繋げる。これがホテルのレストランの役割といえます」と進藤氏。その言葉の通り、「きさら」には政府要人や大使館員、日系・外資系のビジネスパーソンが、“本物”を求めてやって来る。近隣の大使館関係者には日本を含むアジア諸国に駐在していた人も多く、日本料理への造詣も深い。ゆえに、食材選びにも力が入る。

日本でも手に入りづらい飛騨牛を提供

シグネチャーメニューの筆頭格は、岐阜の銘品「飛騨牛」。色鮮やかでキメ細かく、美しいサシと柔らかさ、とろける味わいとしっかりした赤身のうまさを併せ持ち、“和牛のオリンピック”と称される品評会では何度も金メダルを獲得。もともとの生産量が少なく、大部分は岐阜とその近県で消費されることから、“幻の和牛”とも囁かれるほど。タイ国内でも味わえるところは限定され、ホテルではコンラッドのみが取り扱う。こうも希少な飛騨牛を日本と変わらない価格で提供できるのも、同店の強みといえるだろう。

農林水産省主催「Taste of JAPAN」や各県庁との共同プロジェクトに注力している同店は、これまでも鹿児島のオーガニック鰻、京都老舗酒蔵とのコラボレーションディナー等、名産品を中心に据えたメニューを展開。定期的にタイや日本のメディアに向けた試食会を開催するなど、日本食材のもつ多様な魅力のPRに努めてきた実績は計り知れない。

ここでしか味わえない食材の開拓に注力

食材のうち日本産が占める割合は全体の5割。おもにサプライヤーを通して注文するが、政府や県との共同プロジェクトにあたって「この食材が必要」と判断すれば、長い時間、ときには数年をかけて仕入れルートを構築し、業者との関係性を深めてから、希望に沿う確かな食材を先方に用意してもらう。「どこにでもあるものには興味ありません。本当にいいものだけが欲しいので、探す手間は惜しまない。先を見据え、常にわれわれが発信し、ゲストに最高のサービスを提供したい。それがヒルトンのポリシーです」。

そうまっすぐに語る進藤氏会心の一皿は、岐阜の伝統的な料理「飛騨牛 朴葉焼き」。朴葉の上に載せた飛騨牛に、特製の味噌がゆっくりじわっとしみ込んだら頃合い。備長炭と同様の製法で製造された炭と、日本から取り寄せた飛騨コンロを調理に使用する徹底ぶりだ。盛りつけの細部にも美が宿る「ラグジュアリー 飛騨牛ロール」や、鹿児島産の鰻に淡路産のかつお節と日高昆布でとった出汁を張った「特上 鰻ひつまぶし ご飯」も人気の高い一品。添えられた藻塩、わさび、ごぼう、高菜などもすべて「高い安全性と信頼性」(進藤氏)に担保された日本産で統一している。

日本酒は試し飲みサイズも用意

扱う日本産酒類は焼酎7種に、日本酒18種。日本人スタッフによる詳しい説明や、時間があれば進藤氏自らが出向いて、銘柄を選ぶ手助けをしている。また、欧米人等が300mlの小瓶をシェアして試しに飲んでいる姿を見ることから、小瓶サイズの日本酒をいくつか揃え、とっかかりのハードルを低くしているとのこと。「アッパークラスのタイ人の間ではワインはすっかり浸透しました。日本酒もそこまで行って欲しいと考えています」。そう言って、世界の星付きホテルに愛された腕にぐっと力を込めた。

きさら
All Seasons Place, 87 Wireless Rd., Lumphini, Pathum Wan, Bangkok
(+66)02-690-9999
http://kisarabangkok.com外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます