海外における日本産食材サポーター店認定制度
日本産食材サポーター店インタビュー Gion Japanese Restaurant
現地のお客様にも分かって頂ける和食を提供する
所在地:オークランド(ニュージーランド)

本当の和食の味を現地のお客様に
ニュージーランドから日本を訪れる人数は最近急上昇中であり、2019年には約94,000名が訪れている。国民性からか旅行者は地方を好む習慣があり、日本各地で観光は元より様々な食材や日本食を試して帰って来る。ひと昔前のニュージーランドでは日本食と言っても揚げ物や煮物が多く、本来の和食と言うよりも現地産食材や他国からの加工食材を使って“和食”と名乗っていた時代もあったが、最近のニュージーランド人は本物の和食の味を日本で経験して来ているので、日本産食材の利用割合が増えれば増えるほど料理に納得するお客様も多くなってきている。オークランド市中心からすぐ東側にあるお洒落な街並みが残るパーネル通りにはインド料理、イタリアン料理、フレンチ料理など多国籍の料理店が立ち並んでおり、その一角にある祇園レストラン(Gion Japanese Restaurant)は現地の方々に人気の和食を提供している。オーナーシェフの久々江(クグエ)氏も最近のお客様が日本産食材、特に下味に本物を使っているかどうかが分かるようになって来たと感じている。海に近い為に一年間を通して新鮮な魚介類を利用し、寿司、刺身、天ぷら、煮物などを利用したメニューから、日本産和牛を使った料理まで幅広く和食の魅力を提供している。

日本産食材と日本酒のマッチング
昨今の日本酒輸出ブームもあり、ここ祇園では日本酒も各有名ブランドを取り揃えている。原産国が日本である為に日本産食材と日本酒のマッチングはすこぶる良く、10年程前はお客様のオーダーは料理+ワインが通例であったが近年は最初から日本酒をオーダーされる方も急増中だ。日本酒と共に日本産のホタテを使った料理、日本産調味料で丁寧に下味を整えた野菜料理や魚介類の煮物など居酒屋風の夕食をオーダーされるお客様もあり、12名程がゆっくりと過ごせる奥座敷では和食と日本酒のマッチングを楽しまれる現地の方々のリピーターもいる。

現在でも和食文化を教え続けている
シェフ久々江氏は若い時に京都の寿司店で4年間修業。
1996年にワーキングホリデービザでニュージーランドへ渡航、寿司の経験を生かしオークランド最大の鮮魚店の一角にある寿司刺身販売店に就職、そこで現地の魚の種類、寿司、刺身に対するお客様のニーズなどを取得、さらに鮮魚店が経営するシーフードクッキングスクールの専属シェフに抜擢され、現地の方に和食料理の講師も務めている。2006年に10年勤めた鮮魚店を退職、同年オーナーシェフとして祇園レストランを創立。数々のレストラン賞も取得し、今もなお現地の方々に純和食を提供している。

和食文化を定着させ続ける
ニュージーランド最大の新聞社ヘラルド紙。10年前の2010年の記事によるとネット検索された料理カテゴリーのトップ5のうち、インド、タイ、中国、イタリアンを抜いて日本食が1位となった 。その後も日本食ブームは衰えず、明らかに日本食は当地に根付いたと言える。日本産食材を積極的に利用し、海産物や野菜などの現地食材を使った料理を提供する事に集中していればリピーター客を増やす事が可能という久々江シェフのモットーにも納得が行く。久々江シェフは、日本の味を知り始めた現地の方々に日本産食材の持つ質、味を通してさらなる日本食の高みを目指して欲しいと願っている。
(2020年取材)

Gion Japanese Restaurant
1/168 Parnell Road, Parnell, Auckland 1052, Auckland, New Zealand
09-379-3344
http://www.gion.co.nz/