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日本産食材サポーター店インタビュー ゑんどう寿司

創業100年超の老舗寿司店
独自の「つかみ寿司」でタイ人の心も掴む

所在地:バンコク(タイ)

タイ人に人気の大阪の寿司屋がバンコクへ

バンコクのトレンド発信地としてにぎわうトンロー通り。最新のバーやレストランが並ぶグルメ激戦区に、創業108年の大阪の老舗「ゑんどう寿司」が店を構えて一年半。会食や接待に利用する日本人、本物の味を求めるタイ人、遠くからわざわざ訪れる人も多く、みな期待に満ちた表情で染め抜きの暖簾をくぐる。雑喉場(ざこば)と呼ばれた鮮魚市場で働く人たちのために「ゑんどう寿司」初代が考案した「つかみ寿司」という伝統的な技法を代々継承し、伝える同店。

「つかみ寿司」の特徴は、炊きあがりの熱がほどよく残る酢飯。江戸前のように握りこむことなく、シャリをふわっと整えて提供する。ほおばった瞬間、口の中でシャリがはらりと崩れ、魚のうま味と混ざりながら喉を通り過ぎる。ここでしか食べられない独特の食感だ。おすすめの5貫を盛り合わせた「上まぜ」を一皿と数え、ネタの異なる二皿、三皿と重ねていくのが基本のスタイルだ。つけ場に立つのは、職人歴30年の難波康孝(なんばやすたか)氏。江戸前鮨を5年学び、知人の紹介で「ゑんどう寿司」へ。はじめて「つかみ寿司」を口にした日のことを「なんて珍しい、こんな寿司は食べたことがない。衝撃を受けました」と振り返る。そんな唯一無二の味わいに地元民からの支持はもちろん、噂は国内外へ広まっていった。大阪中央卸売市場の場内にある「ゑんどう寿司」本店は、いつしか行列が絶えない人気店に。急増する外国人客の内訳はシンガポール、香港などのアジア系が多く、ことに目立ったのはタイ人の姿だった。タイへの海外初出店と、熟練の職人に白羽の矢が立ったのは、自然な流れでもあった。

食材は週4日、日本から取り寄せ

「日本産の食材は全体の7割ほど。大阪中央市場から週2回、築地市場から週4回の便がコンスタントに届くよう、天候や旬の具合を見て、サプライヤーに細かく注文を出しています。今日の『上まぜ』に用意したネタは、宮崎のハマチ、兵庫香住のカニ、愛知のミル貝。太刀魚は主に千葉からで、まぐろの赤身は愛媛、タコは明石。このタコの炊き方は創業時から伝わるレシピを守り継いだもの。大阪本店を味の基準にしており、お客様に違うと思わせないよう留意しています」。名物の「赤だし」にたっぷり入ったしじみは鳥取の東郷湖から。香りと食感を添えるみょうがと三つ葉も、日本産にこだわる。そのほか、「ぶり大根」、「子持ち鮎の塩焼き」、「かきポン酢」など、旬の一品料理も充実。こうした季節の限定品は、大判サイズの写真を添えてメニューに挟み、随時紹介している。難波氏も「季節の食材はさらに増やしていきたい」と強調する。

日本人とは異なる嗜好をもつタイ人

扱う日本酒は「高清水」「玉乃光」など6銘柄。タイ人にも知名度抜群の「獺祭」は精米歩合を変えた大吟醸3種に、スパークリングも用意。焼酎は麦、芋、米、黒糖とバランスよく全5銘柄。

日本人と比べた場合、酒と寿司を同時に楽しむタイ人は少なく、食事の前後に出るケースが多いという。寿司の嗜好も分かれている。タイ人はサーモン、うに、トロなど濃厚なうま味に惹かれる傾向にあり、まぐろの握りであれば、あっさりとしたインドまぐろを好む日本人に対し、タイ人の好みは脂質の濃い本まぐろ。少しずつ多くのネタをアラカルトで楽しむ日本人に対し、タイ人は同じネタで5貫、10貫と好きなものを好きなだけ食べるという人も多い。シャリの固さや温度の好みにも違いは顕著とのことで、「大阪本店の味を基本に、このスタイルをどこまで維持、浸透させるか。他のやり方はあるのか。どなたにも一番おいしい状態で食べてほしいから、常に模索しています」と難波氏は語る。伝統と変化のバランスをとりながら、一人ひとりに目を配り、最高のタイミングで最高の寿司を出すことに専心する「ゑんどう寿司」。かつて職人の進路を決定づけた“衝撃の寿司”は、バンコクでも静かに、着実に広がりつつある。

ゑんどう寿司
235 THE TASTE THONGLOR 2nd FL, Soi Thog Lo 11, Klongton-Nua, Wattana, Bangkok
(+66)02-712-5211
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