知的財産ニュース 韓国特許庁、職業高校生向け「第14期IPマイスタープログラム」の参加者を募集

2024年5月7日
出所: 韓国特許庁

最終選考を通過した5チームに長官賞など授与、試作品製作、技術移転の支援など特典を提供する!

韓国特許庁は、教育部・中小ベンチャー企業部と共同で5月8日水曜日から職業高校の生徒から斬新なアイデアを発掘し、特許出願から事業化までを支援する「第14期知的財産(IP)マイスタープログラム」の参加者を募集すると発表した。

IPマイスタープログラムは、専門高校、マイスター高校の生徒が自らアイデアの提案から、高度化、権利化、試作品の製作、技術移転のプロセスに参加できるようサポートする発明教育事業で、2011年から毎年開かれている。

参加を希望する専門高校・マイスター高校の生徒は、2~3人でチームを作り、5月29日水曜日18時まで発明教育ポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでアイデアの提案書を提出して応募できる。

今回のプログラムは、日常生活の中で活用できるアイデアを提案する「自由課題」、企業が産業現場で解決を図る課題についてアイデアを提案する需要基盤問題解決型の「テーマ課題」を含め、計4つの分野※に分けて募集する。
※応募分野:自由課題、テーマ課題、専門教科課題、協力企業課題

テーマ課題には、計34社の大手企業、公企業、中堅・中小企業が参加する。株式会社ポスコホールディングスは「河川/海水の氾濫、山火事による被害の低減に向けた予測システム」を、韓国環境公団は「カーボンニュートラルに向けて国家水質自動測定所に採用できる水力発電装置の製作、または、商用水力発電装置の設置方策」を課題として提案している。

知的財産専門家、課題を提案した企業などによる審査を経て1次選考(6~7月)を通過した60チームのアイデアについては、弁理士からの相談(7~10月)を受けて特許出願できるようサポートする。

その後、発表審査を経て最終選考(10~12月)を通過した50チームについては、長官賞など授与、試作品製作、技術移転といった特典が提供され、最高賞である教育部長官賞を受賞した2チームについては海外研修の機会を提供する。

<「第14期IPマイスタープログラム」の推進手続き>
アイデア募集 (ステップ①)アイデアの選定 教育およびコンサルティング (ステップ②)優秀チームの選定
チーム単位募集 60チームを選定 創意教育および弁理士によるコンサルティング 50チームを選定および追加支援(試作品など)
5月8日~5月29日 6月~7月 7月~10月 10月~12月

これまで計13回のIPマイスタープログラムを通じて応募された12,231件のアイデアのうち、767件が特許出願され(登録491件)、このうち産業現場で即時採用できる128件のアイデアについては、必要とする企業に技術移転してきた。

<「第13期IPマイスタープログラム」の受賞作>

副総理兼教育部長官賞を受賞した自走式ベルトコンベア油回収機。ベルトコンベアで汚染水を運び異物を分離し、油と水を分離する過程で動力を得る油回収機である。中小ベンチャー企業部長官賞を受賞した炎の飛散を炎の飛散を防ぐ可変式溶接機。様々な直径のパイプを自動で溶接可能。溶接者を火災事故から保護できる溶接機である。特許庁長賞を受賞したゴミ火器。常に消火器の位置を気付かせる目的の消火器収納型ごみ箱である。

特許庁の産業財産政策局長は「日常生活や産業現場での課題を自ら解決し、特許出願、技術移転までを体験してみた高校時代の経験は、卒業後に技術専門家として活躍していく上で大いなる資産になると思う」とし、「専門高校・マイスター高校の生徒の皆さんからの関心と参加をお願いする」と述べた。

プログラムの詳細については、発明教育ポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのお知らせで確認でき、韓国発明振興会(電話:02-3459-2771)に問い合わせできる。

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