2023年の貿易収支、3年連続の黒字を維持

(アルジェリア)

パリ発

2024年05月10日

アルジェリア国立統計局(ONS)が4月に発表したサービスを除く輸出入の貿易統計によると、2023年の総輸出額は7兆4,063億アルジェリア・ディナール(約8兆5,913億円、AD、1AD=約1.16円)で、前年比19.5%減を記録した。主な原因は天然ガスと石油から成る鉱物性燃料価格の大幅下落(同品目の輸出価格指数は前年比21.7%減)で、鉱物性燃料の輸出額は6兆7,574億ADとなり、総輸出額の91.2%を占めた。

総輸入額は5兆7,940億ADで、同4.6%増だった。主要品目別にみると、「機械類、輸送用機器」は1兆4,601億ADで、総輸出額の25.2%、「食料品、動物(食用)」は1兆3,419億ADで、23.2%を占める。アルジェリアの主要輸入食料品は、小麦およびメスリン(HSコード10.01)、ミルクおよびクリーム(HSコード04.02、濃縮もしくは乾燥したものに限る)、トウモロコシ(HSコード10.05)といった基幹農産物だ(2024年5月2日記事参照)。次いで医薬品、プラスチック製品などの「化学製品」が1兆277億AD(17.7%)、鉄鋼製品、紙など「工業製品」が9,742億AD(16.8%)だった(添付資料図1参照)。

貿易収支は、輸出額の大幅減により黒字幅が56.1%縮小したが、2021年に7年ぶりに2,944億ADのプラスに転じて以来、2022年3兆6,688億ADのプラス、2023年1兆,6123億ADのプラスと3年連続の黒字を維持した(添付資料図2参照)。

ONSのレポートによると、アルジェリアの輸出先は2022年、1位のイタリア26.7%、2位のフランス11.4%、3位のスペイン9.8%、4位のオランダ5.9%、5位のトルコ5.2%のシェアだった。一方、同年の輸入元については、中国が17.5%で1位、フランスは8.6%で2位、イタリアは5.9%で3位、ブラジルは5.9%で4位、アルゼンチンは5.4%で5位だった。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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