第1四半期の輸出入はともに増加、輸出信頼感指数の期待値も改善

(香港)

香港発

2024年05月15日

香港特別行政区政府統計処が4月25日に発表した貿易統計によると、2024年第1四半期(1~3月)の貿易額は、輸出が前年同期比11.9%増の1兆561億2,300万香港ドル(約21兆1,225億円、1香港ドル=約20円)、輸入が8.0%増の1兆1,397億5,700万香港ドルだった(添付資料表参照)。輸出、輸入とも、2023年第4四半期(10~12月)に続いて増加した。3月単月では、輸出が前年同月比4.7%増の3,844億9,020万香港ドル、輸入が5.3%増の4,295億170万香港ドルだった(添付資料表、図参照)。輸出、輸入とも、前月の減少から2カ月ぶりに増加となった。3月の貿易収支は450億1,150万香港ドルの赤字で、2カ月連続の赤字だった。

主要国・地域別に輸出の動向をみると、第1四半期は、最大の輸出先の中国本土が前年同期比20.2%増と大幅に増加したほか、タイ(38.8%増)、アラブ首長国連邦(UAE、20.8%増)、インド(12.9%増)、ベトナム(17.7%増)、米国(5.5%増)が増加した。一方、オランダ(27.8%減)、韓国(8.0%減)、台湾(3.7%減)、日本(3.0%減)が減少した。輸入は、最大の輸入元の中国本土が9.8%増だったほか、韓国(58.4%増)、シンガポール(15.3%増)、ベトナム(37.9%増)、米国(13.9%増)、日本(6.9%増)、タイ(19.6%増)が増加した。

香港政府報道官は今後の見通しについて「地政学的な緊張と長期にわたる金融引き締めが引き続き香港の輸出に影響を与えるだろう」との見方を示した。

また、香港貿易発展局(HKTDC)が3月27日に発表した輸出信頼感指数(注)によると、2024年第1四半期の同指数(期待)は47.4と、見通し改善への期待の高まりを示しているという。また、第2四半期(4~6月)に中国本土からの受注増の可能性が高まっていることなどを受けて、指標のうち「売り上げ・新規受注」の先行きについては49.9となった。第2四半期以降に向けて、輸出のさらなる改善が期待される。

(注)香港を拠点とする500社以上の輸出企業を対象に四半期ごとに調査。5つの指標(売り上げ・新規受注、貿易額、コスト、調達、在庫)の加重平均により算出。50を中立とする。2023年第4四半期まで同局より報告されていた輸出指数の改訂版となる。

(山口雅史)

(香港)

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