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緊急特集:東日本大震災の国際ビジネスへの影響

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エジプトの輸入規制情報(エジプト)

2011年9月21日 カイロ事務所発

2011年3月31日付けで官報に発表された首相令11年458号「特定品への放射線検査の実施について」に関する輸入規制についての緩和・撤廃の正式な改定は今のところなし。

規制内容

  1. 日本からの食品、植物、植物商品、原材料(Earth Raw Material)、屑鉄、中古車部品・スペアパーツの輸入禁止。(品目定義が曖昧であり、規制の対象の有無が不明であった医薬品、化粧品、種子・苗、中古自動車部品については、6月13日付け開催されたエジプト原子力エネルギー庁技術委員会において、輸入禁止の対象品目から除外された。)

  2. 輸入禁止品目以外の全品目は、放射線検査の対象。

  3. 3月10日以前に出荷されたものは対象外。同令は3月31日付けで官報に発表された。

  4. 8月15日に在エジプト日本国大使館がエジプトの紅海港湾庁長官と面談した際、日本からの貨物が同庁管轄の紅海沿岸の9つの港を利用する場合に限り、船積書類に放射線検査の証明書を添付するよう要求された。

水面下による規制緩和の動き

9月14日付け在エジプト日本国大使館経済班の情報によれば、最近になりようやく規制を緩和する方向でエジプト関係省庁にて委員会を開催し検討がなされている模様。具体的には、EUの規制に準ずる方向で検討され、個人消費を目的とした荷物についても、輸入が認められる方向で検討がなされている模様。これを受け、大使館経済班でもエジプトの関係省庁にしかるべく要請を行っているところ。

※EUによる輸入規制概要 : 福島県等一部の都道府県で生産・出荷された食品については放射性物質の検査結果の添付、それ以外の食品については産地証明の添付を義務づけ。鉱工業品については特に規制なし(サンプル検査は実施)。個人荷物は規制対象外。

日本の農水省によるエジプト政府関係機関の幹部向け現地セミナー開催を検討中

在エジプト日本国大使館経済班の情報によれば、農水省本省に対して日本食品の安全性に関する現地セミナー開催を要請中。特に、現状、輸入が停止している現地邦人向け食品、対エジプト消費者向け冷凍サバ等の輸入再開に向け、エジプト政府に働きかけようと検討。

輸入規制による影響

日本の対エジプト輸出実績を2011年月別累積実績の前年比でみると、3月は円ベースで12.1%増(ドルベース23.0%増)と好調であった。4月までは順調に増加し、円ベースでは17.7%増(ドルベース29.7%増)とピークに達したが、5月で7.5%増(19.0%増)、6月で2.1%増(13.4%増)と減少し、7月では、前年同期比でマイナスとなり、4.8%減と下回った。ドルベースでは、5.6%増と、いまだにプラスを維持しているが、円高の影響もあり、日本の対エジプト輸出実績は前年を下回る結果となった。

  1. 日本からの輸入禁止品目における影響

    食品・動植物生産品 : 2011年のエジプト向け輸出実績を2011年7月までの累計でみると、約5.3億円となり、前年同期比で57.7%減少。

    冷凍サバ : 2010年ベースで年間37,346トン、32億74百万円(日本の冷凍サバ輸出の34.4%を占める)のエジプト向け冷凍サバ輸出が事実上停止。在エジプト日系商社は、輸入規制が施行された直後、エジプトの港に到着した冷凍サバを自社の判断により、日本に返送。その後、4月以降のエジプト向け冷凍サバ輸出の実績なし。

    現地邦人向け日本食品 : 輸入規制の施行当初、個人向け日本食品の貨物については通関を許可されていたが、現状、受領できなくなっており、深刻な状況。日本から空港や郵便局に届いた荷物に食品が含まれていると、長期間留め置きされ、返送される。また、放射線検査の名目で多額の手数料を請求されたという苦情も在エジプト日本国大使館に寄せられている。

  2. 放射線検査の対象となる日本からの輸入品目における影響

    公表されないエジプト側の放射線検査の結果、同国の基準値を超えたとして、主に日本からの中古建機、中古農業機械が通関を拒否され、返送されたとするケースがエジプトの原子力エネルギー庁、税関を通じて数件報告されている。
    それ以外の品目での放射線検査で通関を拒否された事例の報告はそれほど多くない。

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