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貿易・投資相談Q&A

日本からの輸出に関する相手国の制度など

米国向けに医療機器を輸出する際の現地輸入規制および留意点

Q. 米国向けに医療機器を輸出する際の現地輸入規制および留意点について教えて下さい。
A.

1.米国に医療機器を輸出しようとする場合、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の許可・承認と、米国輸入通関時の手続きが必要です。米国で販売される医療機器の規制を管轄するのは(国産・外国産を問わず)、FDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH=Center for Devices and Radiological Health)です(医療機器の製造、再梱包、ラベル張替え、または輸入の許可・承認申請窓口。以下FDAと総称)。

                       

2.FDAは「連邦食品医薬品化粧品法」(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act) に基づいて、約1,700種ある医療機器を歯科、心臓・循環器科、放射線科、免疫学関係等、16の医療専門分野(medical specialty panels)に分類し、さらに患者や機器使用者に影響を及ぼす可能性のあるリスクの程度によって3クラス(Class I、IIおよびIII)に分けています。

 

Class Iの医療機器の大部分(例えば、包帯、手袋のような一般的なもの)はリスクが低いので「市販前届出」(Premarket Notification[510(k)])は不要ですが、Class IIの大部分(例えば、電動式車椅子、輸液ポンプ等)は「市販前届出」[510(k)]を必要とします。Class IIIの機器は、体内に埋め込まれる人工心臓用バルブ(replacement heart valves)等のように、生命上や人体損傷、健康面などのリスクが大きく、高度管理を要するので、「市販前承認(Premarket Approval(PMA))」を受けることが要求されます。

 

3.米国で医療機器を市販しようとする場合、基本的に次の3つのステップを踏みます。

(1)第一ステップ:

製品がFDA規制の医療機器に該当するか否かの確認を行います。

(2)第二ステップ:

医療機器該当を確認後、Class IからIIIのどれに分類されるのかについて調べ、「市販前届出」[510(k)]または「市販前承認」(PMA)の手続きを分別します。

(3)第三ステップ:

510(k)またはPMAの手続きが必要な場合には、必要書類を作成し、提出します。有害影響・副作用に関わる臨床データの提出も必要です。

 

4.外国製造業者は、他国での承認取得実績や輸出経験の有無に関わらず米国法に則り、以下の手続きが必要です。

(1)輸出前の手続き

1)米国内に代理人(agent)を1名任命すること:特に外国製造業者に義務付けられています。代理人は米国在住者か事業所の設置者で、私書箱や留守番電話は無効です。代理人の責務は、a)FDAと外国製造業者との仲介、b)外国製造業者の米国向け機器に関するFDAの質問への回答、c)FDAによる外国製造業者の検査が必要な場合のスケジュール調整等です。 ただし、代理人は後述のMDR、510(k)やPMAの提出については、一切責任を負いません。 また、FDAが外国製造業者との連絡が取れず、代理人に連絡した場合には、外国製造業者に連絡したものとみなされます。

 

2)事業所責任者による事業所・製品登録(Establishment Registration)の実施: 登録フォーム”FDA-2891”は米国・外国製造業者とも共通ですが、外国製造業者は米国代理人の氏名・住所を提示することが必要です。また、初めての登録者はMedical Device Listingに沿って、輸出機器リスト(フォーム“FDA-2892”使用)を提出します。

3)品質管理規則(Quality System Regulation)に準拠して製造した旨の証明書の提出。

4)有害影響・副作用報告(MDR=Medical Device Reporting)の提出。

5)医療機器のクラスに応じた「市販前届出」[510(k)]または「市販前承認」(PMA)の提出:

 

a.    「市販前届出」を行う際には、特に定型フォームはなく、要求事項に従った内容の書類を作成し、届出を行います。手数料(510(k) Review User Fees)は標準4,007ドル、中小企業(年商1億ドル以下の企業)2,004ドル(この金額設定は2010年9月末まで有効)となっています。この申請には、FDAから認定を受けた第三者審査機関の推薦を得て行うことが勧められています。すなわち、申請後、FDAで時間を要する技術審査を第三者審査機関が代行しますので、審査期間の短縮化が図れるからです。日本における第三者機関の例は下記のとおりです。ただし、審査費用が別途必要になりますが、詳細は個別にお問合せください。

 

b.    「市販前承認」(PMA)が必要なClass IIIの機器については、承認審査手数料(Device Review User Fees)として、標準217,787ドル、中小企業(年商1億ドル以下)54,447ドル(この金額設定は2010年9月末まで有効)を支払って、審査を受けなければなりません(ただし、年商3,000万ドル未満の小企業は、特例措置として、初回のPMA feeは免除されます)。承認決定までの日数は、法律上、申請後180日以内と定められていますが、実際にはそれ以上要するといわれています。

 

(2)FDAの諸手続きがクリアされた後の、輸入時の通関手続き

1)輸入業務とは、輸入業者(initial importer)が外国製造業者から米国の最終消費者・ユーザーに輸入製品を引き渡すまでの作業を指し、輸入品の再梱包、再表示や内容物の変更は含みません。輸入業者も事業所登録が必要で、またMDRの適用対象です。輸入通関時、税関・国境警備局(CBP=U.S. Customs and Border Protection)では、FDAサンプル検査の要否を決め、不要な場合は通常の通関手続きによりますが、検査が必要な場合は、実験室や現地での検査が行われ、適法性の判断や必要な処置が取られます。

 

2)関税率は、「米国関税率表」にあるとおり、機器の種類によって異なります。また、連邦政府の内国税(excise taxes)については、現在、医療機器は対象外です。ただし、州によっては、販売・使用税(sales and use tax)を課すとともに、適用除外を設けているケースもあるので、注意が必要です。

 

 

参照URL:

FDA(U.S. Food and Drug Administration): http://www.fda.gov/ 他のサイトへ

CDRH=Center for Devices and Radiological HealthのDevice Adviceについて: http://www.fda.gov/cdrh/devadvice/ 他のサイトへ

米国輸入関税率(United States International Trade Commission, Tariff Information Center ウェブサイト掲載のHarmonized Tariff Schedule):http://www.usitc.gov/tata/hts/bychapter/index.htm

 

*  第三者審査機関(例):

テュフズードプロダクトサービス (TUV SUD Japan): http://www.tuv-sud.jp/mhs/others.html 他のサイトへ

インターテック ジャパン(株)(Japan Intertek): http://japan.intertek-etlsemko.com/about/ 他のサイトへ

[参考]

MED ニュース「在日商工会議所(ACCJ)、デバイスラグ解消に向けて3本柱の施策提言」

http://japan.intertek-etlsemko.com/about/ 他のサイトへ

 

 

調査時点:2009/12

記事番号:A-041137

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