投資制度
外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
最終更新日: 2010年02月04日
外国人就業規制
- 駐在して就労するためには就労目的に応じたビザを取得する必要があるが、外国人に対する就業上の差別的規制はない。
在留許可
- 駐在の形態によってビザの種類と有効期限が異なること、またビザの取得についても申請方法や審査方法、期間が異なることに留意する必要がある。ビザや移民関連の行政は、中枢テロの後の政府再編によって、 国土安全保障省(DHS)の傘下に「米市民権・移民局(U.S. Citizenship and Immigration Services=USCIS」(旧移民帰化局=Immigration and Naturalization Service)として組み込まれた。
外国人が米国内で就業するには、就業ビザが必要。米国に進出した日系企業では、主として、E-1(条約貿易業者)/E-2(条約投資家)、L-1(同系列企業内転勤者)、H-1Bビザ(短期就労専門家)の非移民ビザを活用している。
非移民ビザの種類および関連規制に関する詳細は、以下のウェブサイトに掲載されている。
http://www.uscis.gov/portal/site/uscis
【駐在員のビザ取得に関して】
サンフランシスコセンターが、以下で「駐在員のビザ取得ガイドブック」を提供している。参照されたい。
「駐在員のビザ取得ガイドブック」
1) E-1/E-2ビザ
日米通商航海条約に基づくビザ。E-1ビザは、貿易に従事する日本法人の在米支店、あるいは50%以上を日本側が有する米国子会社の駐在員が発給対象。 米国の受入先が日本と相当量の貿易(その取引高の50%超が日米間の貿易)を継続的に行っていることを条件とする。E-2ビザは、日本法人による相当額かつ実質的な事業投資(運用上最低10万ドル以上)を要件とする。受給資格者は、幹部、管理職、あるいは事業にとって必要不可欠な特殊技能、専門知識を有する者に限られる。 E-1、E-2ともビザの有効期間は当初5年、以降無期限に5年ごとの延長が可能。
E-1またはE-2ビザを申請する上で留意しなければならないことには以下の3点がある。
a. Eビザ資格を会社がいったん取得したとしても、その会社が5年間のうちにEビザを1回も申請しなかった場合、Eビザ資格が取り消され、最初から申請し直さなければならない
b. Eビザは、申請者の国にある米国大使館または領事館に発給するか否かの裁量権が与えられているため、管轄の米国大使館または領事館のウェブサイトをよく調べておくことが望ましい
c. 東京にある米国大使館は、Eビザ申請書の審査に通常6週間かかると明記しているが、スポンサー企業が過去5年以内にEビザ資格を取得している場合は、2から3週間でEビザを取得できることもある。逆に、Eビザ資格がない場合は6週間以上かかることが多い
概要は、
http://tokyo.usembassy.gov/
(米国大使館)を参照。
2) L-1ビザ
日本法人の米国支店、駐在員事務所や関係会社、親会社、子会社へ派遣される駐在員が発給対象。申請直前の3年間に、1年以上継続して幹部、管理職、または特殊技能者、専門知識を有する者として、日本の当該法人もしくはその関係会社・子会社等において雇用されていたこと、および、米国の受入先と派遣元の日本法人の間に、株式所有と経営権の観点で関連性があること(米国の受入先を設立する目的で入国する場合を含む)を要件とする。受給資格者は、幹部、管理職(L-1A)、または特殊技能者、専門知識を有する者(L-1B)。ビザの有効期間は当初3年でL-1Aは最長7年まで、L-1Bは最長5年まで延長可能。 ただし、受入先を設立する場合や、設立から1年未満の場合は当初1年しか発給されず、1年後に受入先が事業をしていることを証明できないと延長が許可されない。
駐在員の大部分が取得するL-1ビザのうち、L-1Bビザでは、スポンサー企業の関連会社(つまり、スポンサー企業そのものではない)で働く例が増えてことから、米議会は2004年、そういった状況を規制するために、下記のような2つの条件に当てはまる場合にはL-1Bビザを発給しないよう定めた。
a. スポンサー企業の関連会社でもない企業が、L-1Bビザ保持者を管理する場合
b. スポンサー企業以外に派遣されるL-1Bビザ保持者の専門知識や特殊技能が派遣の理由ではなく、単なる人員補充の場合
3) H-1Bビザ
専門的な技能・知識を有する個人が発給対象。政府間の研究開発や国防省による共同生産プロジェクトに参画する人もこのビザの対象となる。ビザの有効期間は当初3年で、最長6年まで延長可能。
採用活動をした結果、米国人有資格者が見つからなかったために外国人を雇うことを認める、という趣旨で発給されるビザ。スポンサー企業は、H-1Bビザの外国人を雇うことで米国人従業員を解雇しないことを証明する義務がある。
H-1Bビザの有効期間は3年間だが、一般的には6年まで延長可能。ただ、ビザが失効する365日以前に永住権(グリーンカード)取得申請を提出していれば、永住権申請の結果が出るまで、1年ごとの延長申請が認められている。
H-1Bビザは関連法が過去数年で大幅に書きかえられたビザの一つで、申請者の数も多いことから取得が最も難しくなったビザとも言える。毎年、10月に発給される分の申請受理が4月から始まる。申請費(2009年12月現在320ドル)に加えて、ビザ詐欺調査防止料、米国労働者トレーニング料が課される。
H-1Bビザでは、当該ポジションの給与(適正平均給与)が地域ごとに規定されており、スポンサー企業はこれまでその95%以上を払うことが規定されていたが、今後は適正平均給与の100%を払わなければならない。
H-1Bビザは現在、一般枠は年間6万5,000件。このうち、シンガポールとチリは、米国と結んでいるFTAの取り決めにより、優先枠6,800を持っている。また米国内の大学院で修士号か博士号を取得した外国人は、別に年間2万件の上級枠がある。その枠が埋まり次第、修士号や博士号取得者のH-1Bビザ申請者も一般と同じ扱いとなる。
LビザやHビザなど、日系企業がよく使う就労ビザの新規取得、延長に当たって1,000ドルのPremium Processing Feeを払うことで、通常数ヵ月かかる移民局の手続きを15日間で処理してくれる制度が導入された。ビザ取得に関する諸費用や手続きは頻繁に変わるので、移民法弁護士に相談のこと。
4)米国での起業とビザ
ここ数年、日本人がカリフォルニア州やニューヨーク州で起業する例が増えている。米国で起業した場合、E-2ビザを取得するのが一般的。日系会社の米子会社設立ではなく、米国で現地法人を立ち上げる場合、起業手続きもビザ取得も米子会社設立の手続きとは異なってくる。米国での起業による就労ビザの手続きは以下の通り。
■ 必要書類
a. 起業した時の会社登記書類
b. 会社名義の銀行口座証明と事務所の賃貸契約書。起業による就労ビザ取得には、投資額として20万ドル以上(最低でも10万ドル)が必要
c. 定款。さらに、組織構成や資本金の内訳、向こう5年間の収入見込みを含めた事業計画書も重要
d. 業務契約書。取引相手と契約を結び、会社がすでに運営されていることを示す書類
e. その業界に精通している人からの推薦状。資本金や投資額が十分な額であることの証明
<ビザ発給に関する米国側の遅延改善>
米政府は2001年9月11日のテロ事件以来、入国手続きにおける安全保障政策を強化しており、日本政府はそれを受けて、米入国手続き安全規制強化が邦人渡米者に与える悪影響の最小限化を米政府に要請してきた。特に、邦人商用渡米者については、E-1ビザおよびE-2ビザの申請者に対し、面談義務の免除を認めるよう米政府に要請し、就労ビザの延長手続きについても審査期間の大幅短縮および全般的簡素化を要請している。
それに対し、米国務省では、在東京米大使館と在大阪米領事館において、ビザ申請審査にあたる担当者数を増員し、かつ、面談日時の予約をウェブサイトで行える措置をとった。
また、2004年7月16日から、これまで行われていた「米国務省へのパスポート郵送によるビザ更新手続」が中止された。この結果、米国に滞在中で、ビザ更新をする場合には、いったん米国外に出て更新手続をとらなければならなくなった。米政府は、いったん日本に帰国して日本に所在する米国在外公館で申請するか、隣国(カナダまたはメキシコ)に赴いて隣国所在の米国在外公館で申請するかの選択肢を示している。
米大使館および領事館での面談予約をとるウェブサイトは、
http://www.nvars.com
。また、東京と大阪の米大使館または領事館では、ビザが切れる3ヵ月前から延長申請を受け付けるようにした。
出所:国務省(State Dept.):
http://www.travel.state.gov
在日米国大使館:
http://tokyo.usembassy.gov/
現地人の雇用義務
- 連邦レベルでも州レベルでも現地人の雇用義務はない。 ただし、各種の優遇策は現地での雇用の創出を前提としており、現実的には雇用せざるを得ない。
現地人の雇用義務はないが、その雇用に際しては、1964年公民権法(公民権法の第7編(タイトル・セブン))は雇用機会均等法として最も重要で包括的な法律。人種、宗教、性、肌の色または出身国を理由に雇用上の差別をすることを一切禁じている。1963年平等賃金法(男女差別の禁止)、雇用における年齢差別禁止法(1967年)等の各連邦法・州法により、差別的な雇用・待遇条件・解雇などが禁止されている。また、特に日系企業では雇用に関連して、身体障害者や同性愛者への差別禁止やセクシャル・ハラスメント問題も感覚的に理解しにくい面があり十分に留意する必要がある。
こうした問題を解決するためには従業員の就業規則を明文化しておくことが不可欠である一方、自社の従業員としてではなく、人材派遣会社からの派遣の形態を取ることでこれらの問題をかなり回避することも出来るので、上手く使い分けるべきであろう。
<現地人との雇用契約で注意すべき点>
"Employment at Will"・・・「随意的雇用の原則」や「任意雇用関係」などと訳されるが、自由意志に基づき雇用関係が続いているというコンセプトに因る(Willは、雇用主側と被用者側両方の「意思」)。よって、正当な理由があれば、雇用主側も自由に解雇でき、被用者側も自由に離職できる、との考えが根底にある。雇用主側にとって都合が良い制度だとの評価は多い。
雇用契約を結ぶかどうかは1つのポイントとなる。結ぶことで、訴訟を妨げる可能性を高められるという長所はある。雇用契約は製造業者の製造職(工員職など)で米国人を雇う場合に締結されることもあるが、ホワイトカラー職やサービス業種での雇用契約は雇用側も従業員側もあまり歓迎しないためあまり例がない。一定期間だけ取り組むプロジェクトなどにおいて結ばれるケースがある。
雇用契約を結ぶ場合は、雇用期間を明記するのが一般であり、雇用主はその期間中の雇用を保証することになる。このため、解雇の足かせとなることもあり、雇用者側は歓迎しないことが多い。また、解雇に関する条項について、雇用側は、自由に解雇できることを明文化したがるが、従業員はそれを望まない場合が多い。更に、多くの従業員と雇用契約を結ぶには、個々の内容を検討する必要もあり、それを怠ると、一般化した表現が多くなるために解釈をめぐる衝突を招く恐れも出てくる。
雇用契約を結ぶ場合、契約内容に明記しなければならないのは、主に雇用期間(基本期間及び更新期間)、職位及び職責、報酬(ボーナスや昇給関連も含めて)、福利厚生(企業年金、健康保険、有給休暇、傷病休暇)、救済手段(従業員の個人生活において有事が起こった場合の援助)、守秘義務、従業員による発明や考案に関する権利や対価、雇用終了(解雇の正当不当の明確化、辞職の正当不当の明確化、告知時期)、仲裁条項がある。
出所:
労働省:
http://www.dol.gov/
労働省労働安全・衛生局:
http://www.osha.gov/
労働関係委員会:
http://www.nlrb.gov/
雇用機会均等委員会:
http://www.eeoc.gov/
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