投資制度
外資に関する規制
最終更新日: 2011年11月06日
最近の制度変更
最終更新日以降に確認された各種制度の変更情報です。
- 2012年2月28日
- 経済制裁を一部緩和、ビジネス界の関心急上昇
規制業種・禁止業種
- 財務省の米国内外資委員会(CFIUS)が主要管轄機関。米政府は一般に、外国による米国内直接投資(FDI)を歓迎し、公平に扱うという姿勢(ただ、国家安全保障にかかわる場合に例外がある)。
1.外国投資委員会(CFIUS)による対内資本買収の審査
米国は外国からの米国内直接投資(FDI)を歓迎するとともに、外国投資家を公正かつ同等に扱う。ただ国内安全保障を守るために、そうした懸念を露呈するような国内資本の買収案件を審査する委員会を政権内に持つ(エクソン・フロリオ修正条項、後述)。究極的には大統領の判断で、案件を拒否することも可能。省庁横断により構成されるその委員会は外国投資委員会(CFIUS)と呼ばれる。
エクソン・フロリオ修正条項は、大統領に対して米国の安全保障を害する恐れのある取引を停止又は禁止するために適切と判断する措置を適切な時期にとる権限を与えている(U.S.C. App. 2170(d)(1))。さらに、大統領による事実認定および決定内容については司法審査の対象とはならないと規定している(U.S.C. App. 2170(e))。
審査手順は、先ずCFIUSが外資による投資の予備審査をした後、同委員会が必要と認める案件についてのみ、本審査を行い、最終的に大統領の決定を仰ぐ。これまで、約1,500の外資投資案件がCFIUSの審査に付されたが、そのうち、正規の審査を受けた投資案件はごくわずかである。
エクソン・フロリオ修正条項:
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/usc.cgi?ACTION=RETRIEVE&FILE=$$xa$$busc50a.wais&start=2087734&SIZE=15181&TYPE=TEXT
2.分野別の投資規制
いくつかの業界については、連邦規制が適用されることもある。外国からの対米投資に関する連邦規制は、主として航空と通信をはじめ、海運、発電、銀行、保険、不動産、地下資源、国防という9分野で適用される。
「米国 外資に関する規制 規制業種・禁止業種詳細 『分野別投資規制詳細』」
3.財務省による外国資産管理規制
財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control=OFAC)は、外国企業の所有する米国内資産に関する規制を統括している。同規制は業界別に識別されている。対象業界は、銀行、輸出入、証券、保険、観光、信用歴調査報告業(Credit Reporting Industry)、非政府団体、金融サービス、企業登記サービス。業界別規制内容は、
http://www.treasury.gov/resource-center/international/standards-codes/Pages/regulations-index.aspx
に掲載されている。
また、OFACは、米政府による経済的な外国制裁を実施する権限を有す機関であり、近年の制裁対象国と制裁内容骨子を公表している。対象国は、ミャンマー(ビルマ)、キューバ、イラン、イラク、リベリア、北朝鮮、スーダン、シリア、ジンバブエなど。それに加え、国別ではなく、個人や組織にも制裁を課す制裁対象分野およびその内容も公表されている。その分野は、違法ダイヤモンド取引、麻薬、核不拡散、テロリズム行為。
出資比率
- 業種規制あるいは国家安全保障にかかわる規制(エクソン・フロリオ条項)によって外資の出資比率が制限されるケースがある。
上記の規制業種・禁止業種の項を参照。
これらの規制業種以外の場合は現地法人の資本金の100%を外国の法人・個人が所有していても特に問題はない。
外国企業の土地所有の可否
- 外国企業(外国人) が、不動産投資を行うあるいは事業投資に伴って不動産の取得・賃貸を行うことに関して規制はない。
外国企業(外国人) が、不動産投資を行うあるいは事業投資に伴って不動産の取得・賃貸を行うことに関して規制はない。 ただし、外国企業(外国人)の不動産取得は米国内での営業あるいは「恒久的施設」の取得とみなされ、税制面で不利になる可能性が高いので注意を要す。通常は米国内に事業目的に沿った現地法人を設立して、そこを通して不動産投資、不動産の取得・賃貸を行うのが得策である。
土地を含めた不動産への投資を事業の目的とする場合(例えば不動産シンジケートやパートナーシップへの投資や米国内の事務所ビル、ホテル・リゾート、ゴルフ場などを買収しその賃貸料や売却利益を得ることを目的とした事業の場合)はその持ち分に応じて外国の投資家が得た損益を毎年米国の当局に税務申告する必要があるが、所有そのものに規制はない。
また、米国内で一定の事業を行うために外国人(法人あるいは個人)が土地を取得した場合でも、その土地の一部あるいは全部を売却したり賃貸したりする場合などで所得が発生すれば税務申告の義務がある。ただし、通常はその事業目的のために設立される現地法人が土地を取得する形を取るので、この場合には外国人(外国の親会社)に直接的に不動産所得は発生しない。
出所:財務省内国歳入庁;
http://www.irs.ustreas.gov/
外国人が資産を売却した場合の税金関連規制
外国人が米国内で資産(不動産を含む物的財産を指すが、主として土地と物件、または土地や物件の権利の一部も含まれる)を売却した場合、FIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act of 1980)源泉徴収の対象となる。資産の一部を売却した場合も税金が源泉徴収される(26 USC§2104)。
資産全体または資産の一部を外国人から買う場合、購入者(個人または企業)の代理人または取引責任者は、取引額の10%(外国企業の場合、また別の特別規制がある)を支払額の中から源泉徴収する義務がある。源泉徴収に関する責任は購入側にあり、売却側が外国人(または外国企業)かどうかを確認しなければならない。購入側が源泉徴収し損なうと、購入側が税金を払わなければならない。
FIRPTAの適用例外となるのは、購入側が当該物件を自分の居住目的として30万ドル以下で購入した場合。また、売却側も購入側も企業組織であったり、物件が信託財産であったり、あるいは不動産投信を取り引きする場合は26 USC§1445を参照。
出所:財務省内国歳入庁;
http://www.irs.gov/businesses/small/international/article/0,,id=105000,00.htm![]()
FIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act of 1980)源泉徴収については、法令番号26 USC§2104と26 USC§1445を参照。
http://www.law.cornell.edu/uscode/html/uscode26/usc_sec_26_00002104----000-.htm![]()
http://www.law.cornell.edu/uscode/html/uscode26/usc_sec_26_00001445----000-.htm![]()
資本金に関する規制
- 資本金について法的な規制はないが、州などの優遇措置を享受するためにある程度の条件が要求される。
会社設立での資本金に関する規制は存在しない。会社設立は州政府の管轄であり、州によって手続きと諸費用が少しずつ異なるが、基本的には、資本金額にかかわらず、登録手続き費や州税として数ドル〜数十ドルで登記が可能。ほとんどの州では1日で登記できる。ただ、雇用主証明(納税者番号)は連邦政府の内国歳入庁(IRS)への登録が必要となる。それでも、資本金は連邦政府とは関係がない。
手続き上は資本金ゼロでも登記が可能とは言え、ビザ取得や融資獲得、優遇措置の適用を目指すとなると種々の条件を満たす必要がある。ビザ取得が必要な場合、資本金は最低でも10万ドル、できれば20万ドルあるのが望ましい。融資を獲得する場合なら、まとまった額の資本金の他に、通常会社設立から一定の年月を経て黒字を計上していることが要求される。州政府の優遇措置(例えば法人税)を適用してもらおうとすれば、数十人単位で米国人の雇用を約束することが求められることが多く、資本金や初期投資額として数百万ドルが必要となる。いずれにせよ、ビザ取得以外はすべてが州によって大きく異なる。
出所:財務省内国歳入庁;
http://www.irs.ustreas.gov/
その他規制
- 連邦政府による銀行規制、国家安全保障に基づく規制、政府プロジェクトへの参入制限などがある。
<連邦政府による銀行規制>
州際業務規制……78年国際銀行法により外銀に対する内国民待遇が確立されたが、同時に、従来の州際業務の禁止(マクファデン法)、預金債務に対する預金準備率積立義務が米銀同様、課されることになった。しかし、94年の州際業務自由化案成立により、95年9月以降は他州銀行の買収、97年1月より支店経営が米銀同様、外銀にも認められている。
進出形態規制……国内個人向け小口預金(10万ドル以下)が平均全預金高の5%以上となる業務を行おうとする外銀には、支店でなく現地法人形態での進出が義務付けられる(91年国際銀行法修正)。
<政府プロジェクトへの参入制限>
商務省の先端技術プロジェクト(ATP)をはじめとするいくつかの政府研究開発促進プログラムへの外資系企業の参加には、(1)企業が米国に実質的な活動基盤を有している、(2)親会社の母国政府が米企業に同様の機会を与えているなどの要件が設けられている。
ATP参加要件:
http://www.atp.nist.gov/eao/ir-6099/execsum.htm
<州による規制>
会社法、税制などが州によって異なるうえ、州法によるさまざまな外国投資の制限が存在する。一般的には不動産取得(特に農地取得)、銀行業、保険業などに関するものである。
<税制上の規制>
[1]外資系企業に対する内国歳入庁への報告義務および記録保管義務:外国資本が25%以上の米国法人などは、税法上の理由から、外国の関連会社との取引について内国歳入庁に報告し、また、取引関係の記録を保管しておくことが義務付けられている。報告や記録保管の方法に関しては極めて詳細な手続きが定められており、規則違反に対しては厳しい罰則が適用されることになっている。
[2]所得奪取条項:米国の課税対象とならない外国の関連会社に対する金利の支払い、および外国の関連会社の債務保証を得ているローンの金利支払いに関する控除額を制限している。









