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米国における日本製テレビ番組のフォーマット販売

2009年11月
分野:コンテンツ(その他)

米国における日本のテレビ番組の純粋な二次利用である番組販売は、アニメを除くと非常に成約数が限られる。アニメを除く日本のテレビ番組の販売方法としては、テレビ番組の基本的なアイデアと構成、具体的な制作内容と手順をパッケージ化して番組を再制作(リメーク)する権利を売るフォーマット販売がビジネスチャンスは大きいといわれている。

権利を買った海外のテレビ局としては、開発や制作するうえで発生するさまざまな手順がマニュアル化されているため、少ない制作費で自国ニーズに合わせた独自番組が作れるというメリットがある。特に欧米に対しては番組の二次利用販売ではなく、フォーマット権販売がセールスの大部分となっているといわれる。ABCネットワークで18年以上放送されている最長寿バラエティ番組「America’s Funniest Home Videos」はTBSの「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」の視聴者ビデオ投稿コーナーを番組フォーマット販売したものである。2008年9月にフォックスネットワークで、フジテレビのバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」のコーナー企画“脳かべ”のフォーマット番組「Hole in the Wall」が放送されている。ケーブルネットワークのG4は、スポーツバラエティ番組「サスケ」のリメーク「Ninja Warrior」を放送している。さらに日本テレビの長寿番組「欽ちゃんの全日本仮装大賞」が米国でリメーク決定。欧州のテレビ配給会社スパーク・ネットワークがテレビ東京の「ミリオン家族」の人気コーナー「かくれんぼバトル」の海外向けフォーマット販売を開始し、米大手タレントエージェンシーのウィリアム・モリスがテレビ朝日と「いきなり!黄金伝説」のコーナー“芸能人節約バトル1カ月1万円生活”や「ロンドンハーツ」の“格付けしあう女たち”のフォーマット販売代理店契約を結ぶなど活発な動きがみられる。

フォーマット販売は日本のテレビ局番組販売代理店が、番組フォーマット資料を持って米国の文芸・タレントエージェンシーや実力のあるプロデューサーがいる番組制作会社に企画化を売込むところから始まる。「NATPE」や「MIPTV」などテレビ番組の国際見本市に出展する場合も多いが、テレビ局のプロデューサーなどバイヤーが動画投稿サイトなどで事前情報を得ている場合も散見され、飛び込みも多いという。

Creative Artists Agency(CAA)、William Morrisなど米国大手文芸・タレントエージェンシーは俳優だけでなくプロデューサーや構成作家、演出家もマネジメントしている。有名俳優などの仕事を仲介するエージェントは映画会社やテレビネットワークにも強い影響力をもっていて、自社に所属するタレントやスタッフと企画をセットにした「パッケージ」と呼ばれる手法で番組化を実現させる。

ネットワークテレビやネットワークとの配給契約のある製作会社が、企画を面白いと判断すれば具体的に制作を進めるということになる。通常、はじめにパイロット版か単発スペシャル版を制作する。パイロット版は番組の一回分として制作され、視聴者を集めて試写を行い反応を調べるフォーカスグループインタビューなどに使われる。スペシャル版は60分~90分程度の単発番組として制作し放送される。どちらも視聴者の反応を調べるためのテストであり、よい反応があってはじめてシリーズ化ということになる。しかし、現在米国ネットワークテレビはハリウッドのメジャースタジオやVIACOMなどメディア複合企業の傘下にあり、グループ内の関係会社(ホームビデオの販売や商品化権販売を業務とする会社など)の意見を聞くなど慎重な検討を続ける。そのため番組によっては単発スペシャルを何本も制作しながら検討を重ね、シリーズ化が決まるまでに長い時間を要する場合もある。

(ロサンゼルスセンター)


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